フルメタル·パニック!的登場人物

出自宅犬維基
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フルメタル・パニック!の登場人物(ふるめたるぱにっくのとうじょうじんぶつ)は、著者:賀東招二、イラスト:四季童子のライトノベル及びそれを原作とする漫画、アニメ『フルメタル・パニック!』に登場する架空の人物の一覧である。アニメ・漫画版ではストーリーがライトノベル版と細部で異なっているところもあるが、基本的に本稿はライトノベル版を基本とする。

キャラクター名の後ろのカッコ書きはキャストを指す。表記は(アニメ版 / ドラマCD版)である。記載されているキャストが1名の場合はアニメ版を指す。

模板:Netabare

主人公

相良宗介 千鳥要

秘銀(Mithril

幹部

マロリー卿 (大塚周夫
ミスリルの事実上の創設者。爵位は伯爵である。
エドモント・マロリー・ジュニア
マロリー卿の長子。ミスリル設立以前はイギリス海軍の将官であり、マデューカスの上官でもあった。
「戦争の発生は計画的に」という信条を持ち、冷戦構造はある意味でもっとも平和的なシステムと言えるのではないかという認識を持っている。

作戦本部

ジェローム・ボーダ (岸野一彦
ミスリル作戦部の総責任者。階級は提督
アメリカ海軍高官で、テッサの父カール・テスタロッサは部下であり友人でもある。そのためか、テッサからは"ジェリーおじさま"と呼ばれている。
『つづくオン・マイ・オウン』におけるアマルガムの一斉攻撃の際、シドニーにある作戦本部ビルの爆撃に巻き込まれ生死不明(明確な死亡の描写はない)。
ジャクソン(TV版設定)(大滝進矢
ミスリル作戦部所属。ボーダ提督の秘書官。階級は大尉。

作戦部西太平洋戦隊“トゥアハー・デ・ダナン”

戦隊上級指揮官

泰雷莎·泰斯塔羅莎(テレサ・テスタロッサ)
ゆかな / 南央美
ミスリル作戦部西太平洋戦隊総司令官・TDD-1(「トゥアハー・デ・ダナン」)艦長。階級は大佐。コールサインは"アンスズ"。
愛称は「テッサ」。ファンの間では、多くの部下と同様に「大佐殿」と呼ばれることもある。
双子の兄にレナード・テスタロッサ(「アマルガム」の幹部「ミスタ・Ag」)がいる。
かなめ同様ウィスパードであり、TDD-1の再設計は彼女とその同僚のバニ・モラウタ(作中では既に死去)による。かなめと生年月日(12月24日)が同じなのには訳があるようだ。
マオとは仲がよく、メリダ島の彼女の居室(2LDK。下士官や兵卒の住環境が劣悪である事がいたたまれず、余り好きではない)にマオが来ることもある。しかしマオは彼女の部屋で酒やタバコを嗜んでおり、部屋に残された酒の空き缶やタバコの吸殻は、彼女が飲酒や喫煙に手を染めているという噂の原因になっている。ちなみに彼女自身は『おしるこドリンク』を愛飲しているため、艦内の自販機にはおしるこドリンクが多い。また、マオに騙されサワーを飲んでしまい、酔ってトゥアハー・デ・ダナンの艦内を半裸で徘徊したこともある。(『わりとヒマな戦隊長の一日』)
『疾るワン・ナイト・スタンド』で宗介に好意を抱くようになり、陣代高校に休暇を利用して短期留学してきたこともある(この際、原作ではテレサ・マンティッサという偽名を使用している。ちなみにアニメ版では本名)。また極度の運動音痴(ただし水泳は自称得意)であり、しばしば壁にぶつかったり、なにも無いところでつまづいて転んだりする、特殊能力 (?) を持っている。
直観力や洞察力、思考分析能力に優れ、部隊指揮能力は一人でベテラン戦術作戦士官チームを代行するほどである。とはいえかなめと同年齢である事から経験がやや足りないところもあり、また年頃の少女として思い悩むところもある。経験不足に関しては、以下に述べる副官らの助言が重要な要素となっている。また、西太平洋戦隊総司令官及びTDD-1艦長に着任した直後は、多くの部下からその年齢ゆえに『ただの小娘』という目で見られており、その関係がかなりギクシャクしていた(マデューカス曰く、彼女が艦長だと知った時のTDD-1クルーは「『ローマ法王が中国に亡命した』とでも聞いたような顔」をしていたという)。
本来は柔和な性格なのだが、『つづくオン・マイ・オウン』でSRT要員の一部がテッサを手土産として寝返ろうとしたとき「味方でも裏切るなら殺せる」という覚悟を決められる度胸を見せた。
『つどうメイク・マイ・デイ』では殺された部下や友人たちの仇を討つために、アマルガムを壊滅させる方法を知っていると推察するレナードを捜索し続けているが、食欲がなくベッドに入っても眠れない日々が続いており、精神的に追い詰められている様子が見られる。
ちなみにテスタロッサとはイタリア語で「赤い頭」の意。
瑪迪優卡斯(リチャード・ヘンリー・マデューカス) (西村知道 / 大塚明夫)
TDD-1副長。階級は中佐公爵デュークの異名を持つ。
元イギリス海軍トラファルガー級原子力潜水艦タービュラント艦長。タービュラントは実在する艦である(トラファルガー級S87)。
性格は生真面目その物で、若干杓子定規に過ぎるきらいがあり、説教を始めると日が傾くまで止まらない。その規律を重んじる性質は、イギリス海軍時代に培われたものと思われるが、『<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生』の記述によれば、子供の頃から整然と秩序立てられた状態を好んでいた。
本気を出す際にはいつも被っている帽子を逆にする癖がある。この癖がついたのはフォークランド紛争の頃であり、その当時はチャーチル級原子力潜水艦コンカラーの副長を務めていた。
また、英海軍時代、カール・テスタロッサ中佐(テッサの父親)が指揮していた艦を救った過去を持つ。作中で被っている帽子は、その礼と敬意とジョークの意味もこめて彼から贈られた物。なお、カールは生前、マデューカスがテッサ達に将来関わりを持つ事を予期し、彼にテッサ達の能力の事を話していた。
カールにテッサ達の将来を託された経緯があるためか、時折、テッサに対して自分の娘を見るような面を見せる。そのためか、彼女が好意を寄せている宗介を若干疎んじている気があり、彼女が陣代高校に留学する際には、宗介に悪夢を見せるほどのプレッシャー(魚雷発射管に詰めて300kgの爆薬と共に射出する、果物で武装した敵から身を守る方法の教官をさせる等 元ネタはモンティ・パイソン)を与えていた。テッサに対しては上官として「マム(女性の上官に対する敬称)」で呼ぶが、彼女の不安には敏感に反応して、さりげなくフォローを入れるなどする気遣いの人で、豊かな人生経験が見え隠れしている。ちなみに既婚者であったが、湾岸戦争の頃に離婚している。
アメリカ系のミスリル関係者(ボーダ提督など)には、彼を親愛の情を込めて"ディック"と呼ぶ者がいるが、彼本人はというと、スラングとしての"ディック"の意味からそう呼ばれるのを嫌っている。また、ミドルネームは殆どの場合省略されている。
安德雷·卡利尼恩(アンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニン) (大塚明夫
陸戦コマンド指揮官。階級は少佐。コールサインは"パース1"。
ソ連の特殊部隊"スペツナズ"指揮官(陰謀によって現在はソ連を追われている)。
宗介らの上官であり、マデューカスと共にテッサを補佐する立場にある。必要以上の情報は部下に与えないことで部隊の統率を図るが、その一方で軽くハイブロウなジョークを挟むなど、人間として尊敬に値する人格者である。いかなる事態にも柔軟に対応し、任務達成と部下の安全を重視するが、必要とあれば部下を切り捨てる判断を下せる非情さも持つ優秀な指揮官である。指揮官としては堅実の一言であり、奇策はまず用いない。宗介は対峙した際、勝つべくして勝ち、負けるときには損害を最小限に抑える手堅い(ある意味理想的な)指揮をとる強敵だと論じた。
宗介の実質的な育ての親(陣代高校に提出した書類においても、アンドレイ・プレミーニンという偽名を使ってはいるが、親権者ということになっている)であるが、スペツナズ時代には敵対していたことがあった。この時期には過剰なストレスのため、元々はブロンドだった髪が作中本編での灰色に変わってしまっている。また、旅客機墜落事故の際は現場海域に最も近い潜水艦(ヴィクターIII級原潜“K-224”)に乗艦しており、彼の主張によって生存者の捜索に向かったという経緯がある。そのため、この事故の唯一の生存者である宗介の命の恩人とも言える(宗介自身はこのことを知らない)。
イリーナというヴァイオリニストの妻がいたが、出産時の医療事故で母子共に死去。なお、アフガニスタンで宗介と再会した当初は、彼を養子にしてレニングラードで4人で暮らすことも考えていた。
彼が作るボルシチ(曰く、妻の味を再現した物)は味噌ペーストとココアパウダーが入っており、その味はテッサ曰く、「あたたかいドクターペッパー」(ボルシチの隠し味に味噌やココアを使うのは実際にある事なので、使用量が尋常ではないと思われる)。このボルシチを食べに来ないかと宗介を誘うが、宗介は声を裏返しながら「先約がある」と断ったほどである。このボルシチは、恐らくは軍務でほとんど家に寄り付かず、あげくに妻の海外公演にかこつけて各国に渡航し、スパイ行為を行う彼に対して嫌がらせで作られたものであると思われる。それをも美味いと感じてしまうほど、彼の遂行してきた任務は相当の激務であったと思われる。
なお、『つづくオン・マイ・オウン』においてテッサ達を襲撃部隊から守ったが、その際逃げ遅れて行方不明となるが、『つどうメイク・マイ・デイ』ではアマルガム幹部「ミスタ・K」(カリウム)として現れる。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』のラストでシドニーにおいてレナードと接触していることや、『つづくオン・マイ・オウン』襲撃時における発言の歯切れの悪さなどから、逃げ遅れたこと自体が意図的なものであると見ることもできる。

SRT特別對應班(特別対応班)

ゲイル・マッカラン (小川隆市
『戦うボーイ・ミーツ・ガール』から『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』の期間(厳密に言えば、前日談の『エンゲージ・シックス・セブン』から)の陸戦コマンドSRT(特別対応班)の指揮官。階級は大尉。コールサインは"ウルズ1"。
元オーストラリアSAS所属。クルーゾーの先輩であり、戦友でもあった。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』作中で行われたTDD-1就航一周年記念パーティーでのビンゴ大会で一位を勝ち取り、見事テッサのキスという栄誉を勝ち取るが、その後発生した艦内での戦闘で、アマルガムと通じていたグェン・ビェン・ボーにより射殺される。
座右の銘は「生ける狗は、死せる獅子に勝れり」。クルーゾーもこの言葉を気に入っていた。
ベルファンガン・クルーゾー (小山力也
『終わるデイ・バイ・デイ』以降の陸戦コマンドSRT(特別対応班)の指揮官。階級は中尉(のち大尉に昇格)。コールサインは"ウルズ1"。マッカランの後任者。
地中海戦隊"パルホーロン"所属。アフリカ系カナダ人のイスラム教徒で、かつてはカナディアンSASに所属しており、マッカランの後輩にあたる。また、下士官時代にマオと親交があったらしく、作中においてもマオからは「ベン」と呼ばれている。
その戦闘技能は宗介を上回り、アーバレストとの模擬戦では宗介を圧倒している。中国武術に通じ、ASで発勁をするなど、その体術は底が知れない。体術に関しては彼曰く、「技(スキル)」ではなく「術(アート)」が大事とのこと。
趣味はアニメ鑑賞で、新作チェックのためにニュータイプU.S.A.(en:Newtype USA)を愛読。決して、「恥ずかしいから」等という理由ではなく、飽くまで部隊の士気に関わる事から、他の隊員には秘密にしていたとは本人の弁。
『終わるデイ・バイ・デイ』の初対面時に確執のあるクルツにより『わりとヒマな戦隊長の一日』においてアニメDVDに細工をされ、魔女の宅急便でキキがトンボを助けようとするシーンに、あろうことかヒンデンブルク号の墜落シーンを上書きされたことがある(その他、クルツ曰く他のテープにはハードコア・ゲイのポルノや、ブタの屠殺場の映像、アングラの死体ビデオを上書きしたらしい)。なお、OVA版では未来少年探偵コニャンというアニメ(「未来少年コナン」+「名探偵コナン」のパロディ)で、ヒロインが水底に縛り付けられた主人公を助けるシーン(このシーン自体「未来少年コナン」の1シーンのパロディだと思われる。また、名探偵コナンの映画『14番目の標的』にも同様のシーンがある)を豚のキスに差し替えられた。情緒を完全に破壊された彼は本気で怒り、テッサの制止も聞かずにクルツと喧嘩を続けていた。ちなみに細工内容を聞かされたテッサは、ビデオに上書きする映像について、ロジャー・コーマンの最低映画やサダム・フセインの顔面のアップを入れる「穏健な」細工にすべきと発言。クルツにどこが穏健なのか、突っ込まれていた。
『終わるデイ・バイ・デイ』中で、「ASは鍛えられた肉体の更なる延長である」との発言があるが、これの元ネタは装甲騎兵ボトムズに登場した、吸血部隊レッドショルダー創設者、ヨラン・フリードリッヒ・フォン・ペールゼン大佐の「ATとは鍛えられた肉体の更なる延長である」。
梅麗莎·毛(メリッサ・マオ) (根谷美智子 / 同左)
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は曹長(のち少尉→中尉)。コールサインは"ウルズ2"(前任者の退任以前は"ウルズ6")。認識番号はB-3055。26歳。
中国系アメリカ人で、出身はニューヨーク。宗介とクルツの同僚で、3人が行動する際は隊長を務める。電子戦のスペシャリストであり、工学の修士号も持っているほか、M9 ガーンズバックの開発にも関わっている。愛用拳銃はH&K MARK 23
アメリカ海兵隊所属(不名誉除隊処分・経緯は不明)。海兵隊入隊の経緯は、父親によって『ハーバード出のボンボン』(本人談)と無理やり結婚させられそうになり、結婚式場からウエディングドレス姿のまま逃げ出してそのまま海兵隊の徴募事務所で志願したというもの。その父親はアメリカ空軍爆撃機パイロットを務めており、彼女との仲は余り良くない模様。海兵隊に参加した経験があるためか、「マオお姉さんの海兵隊式ののしり手帳(新兵訓練編)」を所有。宗介が陣代高校ラグビー部を鍛える際、威力を発揮した。
性格はいわゆる姐御肌。また、怒らせると容赦ない鉄拳制裁と罵詈雑言が飛ぶなど、作中ではかなめに並ぶ暴力的な性格。しかしその一方で利他的・自己犠牲的なところがあり、また情も深い。
ちなみに、作中でラムダ・ドライバ搭載型ASに機体を撃破された回数が最も多いキャラクターである(『疾るワン・ナイト・スタンド』及び『つづくオン・マイ・オウン』ではベヘモスに、『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』ではガウルンのコダールiに撃破された)。
ビール以外の酒を飲んでいると不幸なことが起きるというジンクスを持っている(ワインの時は叔母の訃報が届き、バーボンの時は別れ話を切り出され、フローズン・ダイキリの時は着ていたドレスにブラッディ・マリーを引っかけられた)。
宗介やクルツからは"マオ"、"マオ姐さん"などと呼ばれ、小説の地の分においても"マオ"と書いてあることが多いので、"マオ"が名前のようにも思えるが、こちらはあくまでも苗字である。プライベートではテッサやクルーゾーが"メリッサ"と名前で呼ぶことが多い。
作中でしばしば彼女の容姿を例えるのに用いられる言葉として「」が挙げられる。この漢字を中国語で発音した場合、"マオ"と表記することが出来るため、漢字では「猫」という姓だと思われがちだが、実際は「」と書く(ドラコンマガジンに掲載された4コマで本人が「毛」であると明言している)。
タナン・アマサート
元陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は中尉。コールサインは"ウルズ2"。マオの前任者。
『エンゲージ・シックス・セブン』の冒頭に登場。ASの降下訓練中に墜落事故を起こしたジャック・ウェインに巻き込まれ負傷、右足と腰に障害が残る。そのため情報部に転属している。
キャステロ (伊藤和晃
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は中尉。コールサインは"ウルズ3"。
人種的にはラテン系で、口ひげが特徴。PRT(初期対応班)の指揮官も兼務している。
『つづくオン・マイ・オウン』において、マオの窮地を救った後に損傷したM9でベヘモスと交戦し、死亡した。
ハマー
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は中尉。コールサインは"ウルズ4"。
強襲輸送隊の指揮官も兼務している。作中には名前が出るだけで、実際に登場したことはない。
羅傑(ロジャー・サンダラプタ)
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は軍曹。コールサインは"ウルズ5"。
名前は『戦うボーイ・ミーツ・ガール』で既に登場しているが、実際にキャラクターとして登場したのは『終わるデイ・バイ・デイ』の下巻。
ネイティブ・アメリカン(ドラゴンマガジン掲載版の『踊るベリー・メリー・クリスマス』の記述によればナバホ族)の巨漢であり、非常に寡黙。ただし、余りに寡黙であるためか、マッカラン、クルーゾーの双方からリーダー向きではないという評価がされている。
『つづくオン・マイ・オウン』ではクルツやスペックらと共にベヘモスを迎撃し、重傷を負う。
克魯玆·韋伯(クルツ・ウェーバー) (三木眞一郎
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は軍曹(のち曹長)。コールサインは"ウルズ6"。認識番号はB-3127。
生身・AS搭乗時を問わず天才的な狙撃技能を持つドイツ人。ただし、格闘に関してはセンスがまるで無い(マオ曰く「くっ付いたり離れたりまるでチンピラ」)。
家族を空港での爆破テロで失っており、復讐を目的に傭兵となった経緯を持つ(傭兵時代、レバノンで宗介と戦った事があったが、お互い、ミスリルに入隊してからもその事実を知らないでいる)。
雑誌(原作だと『エスクァイア』、アニメだと『The Tag』)のモデルを務めたことがあるほどの美形だが、それと反比例するかのように、性格はお下品・お下劣・歩く猥褻図鑑で、セクハラ騒動も日常茶飯事である。しかし、その仮面の下には、狙撃ポイントに張り付いてじっとチャンスをうかがい、確実に一人ずつ殺していく冷徹な狙撃手としての貌がある。その貌はマオですら少し怖いと感じることがある。ただし本人曰く「フェミニスト」とのこと。
父親が新聞社の特派員だった関係で、中学生までは江戸川区に住み、父の方針でナショナルスクールではなく、地元の公立校(葛西第四中学校:実在しないが葛西第三中学校までは存在する)に通学していた。そのため、日本の事情については宗介よりもはるかに詳しい。また、そのような環境で育ったためかドイツ語よりも日本語の方が流暢であり、彼自身も自分はドイツ人というよりもむしろ日本人であるという認識を持っている。ちなみにヤクルトのファンである。
なお、中学時代はギター少年で、父親が所持していたギブソンレスポールを学校に持ち出し、当時の副担任で音楽教師だった椎原那津子の前でよく奏でていた。
病院にいるある人物(作中では「彼女」とのみ表記)に対して援助を行っているらしく、本人曰くかなりの借金を抱えている。
実はオットー・カリウスと面識があり、カリウスという偽名を名乗ったこともある。本人曰く、子供の頃に父親の故郷に帰省した時によく遊んでもらったとのこと。
ちなみにキャラクター名は小林源文の代表的戦争劇画、『黒騎士物語』の主人公である新米のナチス・ドイツ国防軍戦車兵、クルツ・ウェーバー上等兵からとったものと思われる。
ジャック・ウェイン
元陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は伍長。コールサインは"ウルズ7"。つまり宗介の前任者。
『エンゲージ・シックス・セブン』の冒頭で登場。ASの降下訓練中に墜落事故を起こし、大きな怪我は無かったものの、墜落の瞬間神が見え『汝、迷える子羊よ。武器を捨てて、えびを獲れ』と告げられた。
現在はミスリルを辞め、フロリダにて漁師をしているものと思われる。
スペック (飯島肇
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は伍長。コールサインは"ウルズ8"。
元の所属はアメリカ海軍特殊部隊。株取引が趣味で、クルツに5万ドルを20倍にして返すと吹っかけた事がある(ちなみにそのクルツは彼をギャンブル狂呼ばわりした)。
『終わるデイ・バイ・デイ』後編における香港での戦闘ではヴェノムによって機体を撃破されるが、その際は生還する。
『つづくオン・マイ・オウン』において、ベヘモスの狙撃に失敗したクルツに再度チャンスを与えるために自ら囮となり、ラムダ・ドライバの直撃を受けて死亡した。なお、出撃の直前には勝ち目が無いという判断からミスリルを裏切ろうとした。
ヤン・ジュンギュ (佐々木望
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は伍長。コールサインは"ウルズ9"。認識番号はB-3120。
出身は韓国大邱。 西太平洋戦隊のSRT要員の中で唯一ASの搭乗資格を持っていないが、歩兵としての能力や車の運転技術、悪運(マオ談)は優れている。しかし、キャステロからは「心がけの面で劣る」と評され、PRTへの降格も検討されていた。宗介も「優秀だが、人が良すぎるのが欠点」という認識を持っている。
軍に徴兵される前はレーサーになることを夢見ており、しばしば峠を攻めていたが、実家が小さな自動車修理工場で、経済的なゆとりがなかったことからその夢を捨てている。また、元々軍に興味はかったが、いやいや徴兵されて訓練を重ねていくうちに才能が開花し、空挺部隊に配属され、その後韓国政府でも極秘扱いされている作戦に投入された。その後は紆余曲折を経て(本人は『後は野となれ山となれ、だ』と述壊している)ミスリルに入隊した。
作中ではPRT要員のウーと一緒に行動している事が多い。
マンデラ
陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は不明。コールサインは"ウルズ10"。
後述するグェンの後任として、西太平洋戦隊に配属されたものと思われる。具体的な人物描写は今の所ほとんど無い。
『つづくオン・マイ・オウン』で初登場し、クルツやスペックらと共にベヘモスをM9で迎撃した。

PRT(初期対応班)

ハワード
陸戦コマンドPRT(初期対応班)所属。階級は伍長。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』において、パシフィック・クリサリス号を西太平洋戦隊がシージャックした際、銃を奪って逃走する乗客(キリー・B・セイラー米海軍中佐)の鎮圧に向かうが、テッサが人質にされていたためにトリガーを引くことが出来ず、ゴム弾を食らってしまう。
その後船内に現れたアラストルを宗介やクルツたちと共に迎撃し、胸に銃弾を受けるが、ボディーアーマーを装備していたため難を逃れた。
ウー (白鳥哲
陸戦コマンドPRT(初期対応班)所属。階級は一等兵(『踊るベリー・メリー・クリスマス』以降は上等兵)。
人種的には中国系だが、南北中国の出身なのか、あるいはマオ同様の中国系移民なのかは不明。ASの操縦資格を持っている(が、作中でASに搭乗したことは無い)。
作中ではヤンと行動を共にしていることが多く、そのせいかヤンと同様に損な役回りが回ってくることも多い。
リャン・シャオピン (杉田智和
陸戦コマンドPRT(初期対応班)所属。階級は一等兵。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』において、SRT要員であるジョン・ダニガンと共に、捕らえたガウルンの監視をしていたが、ダニガンに裏切られ射殺された。

TDD-1発令所要員

ウィリアム・ゴダート (うすいたかやす
発令所甲板士官。階級は大尉。
長らくテッサの陰に隠れ、その能力を見せることのなかったマデューカスの事を、ただの風采の上がらない小男という目で見ていた。
ディン
発令所航海士官。階級は大尉。
デジラニ (山岸功
発令所ソナー員。階級は軍曹。
報告の際、リズムを取るような口調で喋る癖がある。

兵站グループ

エドワード・サックス (室園丈裕
兵站グループ第11整備中隊の指揮官。階級は中尉。
"ブルーザー"というあだ名を持っており、作中ではクルツやマオがその呼び方を使っている。作中の描写に拠れば『どこぞのプロレスラーにそっくり』の容貌をしているためついたあだ名であり、恐らくはブルーザー・ブロディから取られたものと思われる(別に『ディック・ザ・ブルーザー』ことウィリアム・アフィルスがいるが、イラストを見る限りではブロディの方が近い)。
本人曰く、将校らしく扱われるのが性に合わないらしく、「サー」と呼ぶ奴の尻を蹴飛ばす事にしているという。
出身はフロリダ。父親はアルコール依存症で、彼が13の時に自殺している。兄は強盗の常習犯であり、姉は売春に手を染めていた。ただし母親は存命で、彼は年に2度、離婚した妻と暮らす子供と一緒に帰省して手製のミートパイを食べるのを楽しみにしている。また、その母親の影響からか若干フェミニストの気がある。
元々の所属はアメリカ陸軍。入隊当初は歩兵だったが、作戦中の負傷によって整備兵に転向する。その後はAS整備兵として実力をつけていたが、クルジスタンでの作戦行動中にM6に発生したトラブルを原因に陸軍を除隊する事になる。ちなみに、陸軍時代に学士号を夜学で取得している。
ミノーグ
兵站グループ第11整備中隊の一等兵。ルイス同様にクルツの即席バンドに参加している。パートはベース。
遺失物係 (中村俊洋
兵站グループ施設中隊所属。階級は二等兵。
氏名は不明。『わりとヒマな戦隊長の一日』では基地内における遺失物の担当をしていたが、本来は備蓄管理員。
デニス・ファルコウスキー
短編『老兵達のフーガ』に登場するキャラクター。
兵站グループ兵站支援中隊所属。階級は二等兵。元強盗。
息子ダニーの養育費に困り、両替所を襲撃して110ドルを奪い、さらに宗介とテッサがボーダとその旧友達とのパーティーに付き合わされているレストランに強盗に押し入るも失敗した。しかし、ボーダらの知り合いであるルイス・ファルコウスキーの息子と知ると、ミスリル作戦部の能力を使ってデニスを息子ダニーに会わせることとなる。去り際ボーダにスカウトされ、後日、西太平洋戦隊に配属される。
ルイス
兵站グループ第11整備中隊の二等兵。短編『音程は哀しく、射程は遠く』に登場する。
ドラムの腕を見込まれてクルツの即席バンドに参加することになる。

その他

ペギー・ゴールドベリ (くじら
支援グループ医療班所属の軍医。階級は大尉。"ペギーおばさん"と呼ばれることもある。
メリダ島基地内やTDD-1艦内の医療に関する責任者であり、健康上の理由が伴えば、テッサの指揮権を剥奪する権利を有している。
マデューカスが隊員から取り上げたテッサの写真を預かっている。
なお、蓬莱学園シリーズには同名のキャラクター(ペギー・ゴールドベリ教頭)が登場している(作者である賀東招二自身、この作品にも関与している)。
エバ・サントス
TDD-1強襲輸送隊所属。階級は少尉(後に中尉)。コールサインは"ゲーボ9"(ただしこれが彼女個人のコールサインであるか、あるいは彼女が操縦する輸送ヘリ単位でのものかは不明)。
母国語はポルトガル語。
ペイヴ・メア輸送ヘリの操縦を担当し、作中ではアーバレストの空輸を行っている事が多い。
『つづくオン・マイ・オウン』中、東京の宗介とかなめの回収に向かうが、着陸の寸前に機体に対空ミサイルの直撃を受けて墜落死する(ただし、その際に保険として搭載していたアーバレストは稼動可能状態にあった)。
ジャクリーヌ・ヴィラン (岡本麻弥
テッサの秘書官。階級は少尉。
彼女に対する姿勢はそっけないものがあり、プライベートな会話は殆どしていない。これは単に淡白な性格をしているために過ぎず、テッサを嫌っているというわけではない。気を利かせて紅茶を入れたり、手製のシフォンケーキを持ってきたりすることもある。
『つづくオン・マイ・オウン』の記述から、研究部から出向してきたことが判明した。後述するレミング同様にラムダ・ドライバについての研究に関わっていたようで、西太平洋戦隊の中でラムダ・ドライバについて最も詳しい1人として位置づけられている。
シノハラ
メリダ島基地で通信を担当する女性下士官。階級は軍曹。下の名前は不明。
作中では数回宗介と交信を行っているシーンがある。
『つづくオン・マイ・オウン』にてTDD-1に乗艦し、メリダ島を脱出している。
カスヤ・ヒロシ (福山潤
艦内でコックを務めている日本人。階級は上等兵。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』ではかなめの料理の腕を褒め、『深海料理の真髄』を伝授すると豪語していた。
また、短編の『女神の来日(受難編)』ではマデューカスの通訳として来日している(作中では登場せず)。また、作中のマデューカスのセリフによると、東京近郊に実家がある(親族の命日で帰宅していた)。
グロリア
西太平洋戦隊の料理長夫人。
テッサの部屋の掃除を担当している。噂好きで、テッサが喫煙や飲酒(実際はマオの仕業)をしていることをマデューカスに話してしまった。
酒場のマスター (廣田行生・TSRでは水野龍司
メリダ島基地のパブ"ダーザ"のマスター。
恰幅の良い初老の白人男性で、その容姿はアーネスト・ボーグナインに似ている(ちなみに、この描写がされた『キャプテン・アミーゴと黄金の日々』において、"今は亡き名優"と書かれており、氏はフルメタ世界では既に他界している設定であることが伺える)。
元傭兵であり、現役時代に右脚を負傷したためか、若干引きずるような歩き方をする。本人曰くコンゴローデシアでは知らない者はいなかったという。かなりの精神論者でもあり、パブで無気力にダラダラ飲んでいたクルツと宗介を叱りつけた事もある。またその際、大海賊キャプテン・アミーゴの地図を渡している。
『つづくオン・マイ・オウン』でのアマルガムの攻撃の際にはTDD-1に乗艦し、メリダ島を脱出している。酒類は持ち出せなかったものの、戦死したマッカラン達の写真だけは鞄に詰め込んでいた。

作戦部インド洋戦隊“フィル・フォルヴ”

ブライアント (中田和宏
作戦部インド洋戦隊所属。ヘルマジスタンに派遣された部隊の指揮官。階級は中尉。
ガウルンのヴェノムに倒される。
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。
グレース・ワイズマン(村井かずさ
作戦部インド洋戦隊所属。ヘルマジスタンに派遣された部隊の副官。
唯一の女性で愛称はグレイ。過去に東ヨーロッパで内戦抵抗運動に参加していた。ガウルンのヴェノムに殺された。
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。
アンディ (高田祐司
作戦部インド洋戦隊所属。ヘルマジスタンに派遣された部隊の一員。
テンガロンハットがトレードマーク。ガウルンのヴェノムに倒される。
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。
ジャクソン (宇垣秀成
作戦部インド洋戦隊所属。ヘルマジスタンに派遣された部隊の一員。
ドレッドヘアが特徴。宗介を嫌っており、しばしば衝突していた。乗機をバチストに奪われた後は核ミサイル搭載のトレーラーを運転していたが、ガウルンのヴェノムに倒される。
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。
バチスト (北川勝博
作戦部インド洋戦隊所属。ヘルマジスタンに派遣された部隊の一員。隊の中では最年長。
ジャクソンからポーカーでの借りが300ドルある。ガウルンのヴェノムに乗機を破壊され重傷を負ったが、ジャクソンから乗機を奪ってヴェノムに対して自爆攻撃を行った。
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。

情報部

メイヤー・アミット (菅生隆之
ミスリル情報部の最高責任者。階級は将軍(少将・中将・大将のどれかは不明)。ボーダ提督の調べではアマルガムに内通している疑いがあるらしい。
ギャビン・ハンター (島田敏
ミスリル情報部香港支局の責任者。表向きは貿易業者を装っており、南北中国軍の両方にパイプを有している。外見的には凡庸なオヤジであるが、洞察力・情報分析能力や部下把握能力は叩き上げの情報部員らしく、さまざまな方面への根回しも、優秀の一語に尽きる。当人が現場を動くことはほとんどないが、優秀な部下を擁する組織力も持っている。
『つづくオン・マイ・オウン』ではアマルガムの攻撃から辛くも難を逃れ、アンカレジで密かにARX-8 レーバテインの建造を行っていた。しかしその動きはアマルガムに察知されており、『つどうメイク・マイ・デイ』で逃亡中、アマルガムに寝返っていたカリーニンによって銃撃され、重傷を負うものの命は取り留めた。
レイス (大原さやか
ミスリル情報部所属のエージェント。レイス(wraith:実体のはっきりしない幽霊)はコードネームであり本名は不明。
出身は北朝鮮。登場時は性別すら不明だったが、『つづくオン・マイ・オウン』で女性であることと、祖国を追われた身である事が判明した。宗介と同時にかなめの護衛任務に就いているが、基本的に両者が接触することは無い(元々かなめの護衛は情報部のみが担当するべき事であり、宗介の配備はそこに作戦部の横槍が入ったための措置)。
宗介とは異なり、かなめとも接触せず、遠距離からの監視・警戒を中心に行っていたが、『終わるデイ・バイ・デイ』においてレナードに拘束された挙句、護衛対象であるはずのかなめに助けられたため、以降かなめにはその事をネタに宗介のミスリルでの動向調査(半ばテッサとの浮気調査)などを頼まれることとなる。
その任務の性質上、変装技能に秀でており、サラリーマンから主婦まで、様々な姿を状況に合わせて使い分けて警戒に当たっている。変装中はボイスチェンジャーで声も変えており、TV版では当初演じる声優も伏せられていた。「気晴らし」として宗介が陣代高校及びその周辺で暴れ回る原因の一端を作っている。ただしこの行動は上層部の意向を彼女なりに判断した結果として、陽動のための宗介を目立たせる・敵対組織を攪乱させるため・・・・などの理由付けもある模様。
『つづくオン・マイ・オウン』で実質的にミスリルが壊滅した後には、潜伏していたハンターの依頼を受けてアーバレストの残骸からアルを回収している。また、本物のARX-8 レーバテインを宗介に届けるため、『つどうメイク・マイ・デイ』においてはメキシコにおいて彼と行動を共にしていたレモンたちと合流している。
なお、本人の台詞によれば好物はチゲ鍋(注:和訳で「チゲ」とは「鍋」。よって誤記と考えキムチチゲと推測)である。

研究部

ペインローズ
ミスリル研究部部長。バニ・モラウタやノーラ・レミングの上司にあたる。
40過ぎの痩せ型の男性(ミスリル設立以前の話である『<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生』における描写)。作中では"博士"という肩書きで呼ばれることがあるが、いかなる博士号を取得しているのかは不明。
バニ・モラウタ
ミスリル研究部所属。階級は大尉。認識番号はF-6601。
ARXと呼ばれる、アルとそれに付随するシステム群(ラムダ・ドライバAS本体等)の開発主任であり、テッサと共にTDD-1の建造にも関わっていた。年齢は16歳と非常に若いが、カリフォルニア大学を卒業し、ジオトロン社にも所属していた。
アルに入力された情報によれば、趣味は囲碁とピアノ、好きな歌手はジョン・レノン、好きなものは平和とアルとテレサ・テスタロッサとのこと。
ウィスパードだったが、「ささやき」に乗っ取られ自殺してしまう。しかしアル内にブラックボックス化したメッセージを残すなどしており、独自のユーモアセンスを持ち合わせていたようだ。作中では(今の所)余り多くは語られていない。
ノーラ・レミング (山口由里子
ミスリル研究部所属。階級は少尉(後に中尉)。
マサチューセッツ工科大学出身。軍属の経験は皆無であったが、バニの死後、テッサによってスカウトされた。ウィスパードではないが、天才の部類には入る。ただし、テッサに対して若干のコンプレックスを抱いている節がある。
西太平洋戦隊にてラムダ・ドライバの研究を担当しているが、その特殊性故に整備員(特にサックス)と衝突する事もあった(『エド・サックス中尉のきわめて専門的な戦い』など)。
カリーニンに想いを寄せている。また、宗介の見立てによればカリーニンの亡き妻であるイリーナに面影が似ているとのこと。

ベリーズ訓練キャンプ

エスティス (松本大
ベリーズ訓練キャンプ総責任者。階級は少佐。人種的にはプエルトリコ系。
射撃大会での優勝経験があり、オフィスにトロフィーを飾っていたが、クルツの狙撃を受けて真っ二つにされている。
ジマー (室園丈裕
ベリーズ訓練キャンプ教官。階級は軍曹。
訓練キャンプ時代の宗介とクルツに対しては良い評価をしていなかった(これは2人とも意図的に手を抜いていたため)。しかし『こだわりのある革命家達の集い』との一件で評価を改めたのか、宗介とは打ち解けた模様。短編の『対立のフェスティバル』では宗介の招待を受け、陣代高校の文化祭を訪れている。
ちなみに、訓練キャンプ時代の宗介は"ソウスキー・セガール"という名前を使用していたため、陣代高校を訪れた際にもセガールと呼んでいた。
ダニエレ・ブリアッシ
ベリーズの訓練キャンプ生の1人。元イタリア軍対テロ部隊“GIS”所属。
警察官から“GIS”に抜擢された経歴を持ち、CQB(閉所戦闘・近接戦闘)に長じている。空手の達人で日本語もある程度使える。
ASの操縦能力もあり、(フルメタ世界における)1995年にローマで発生したASテロ事件の際は、市民に1人の負傷者も出さずに敵機を無力化している。
ヨナタン・ハレル
ベリーズの訓練キャンプ生の1人。元イスラエル軍空挺部隊所属。
訓練生の中ではトップクラスの成績を修めていた。ただし、(意図的に手を抜いていた)宗介の乗るRk-92を相手に、M6で模擬戦を行った際に敗れており、少なくともAS操縦に関しては、宗介には能力的に及ばないものと思われる。
経済学と工学の修士号を持つインテリで、兵士としての能力も優れている。実戦経験も豊富であり、レバノン南部では多数の極秘作戦に従事していた。その間にシリア軍のRk-92を3機撃破している。また、モサドでも訓練を受けていた。
リカルド・プラド
ベリーズの訓練キャンプ生の1人。元ペルー軍特殊部隊所属。
ASの操縦経験こそ無いものの、空挺降下、水中作戦、偵察作戦に造詣が深く、爆発物のエキスパートでもある。また、双発飛行機とヘリの操縦ライセンスを持っており、飛行時間は合わせて2000時間を数える。
左翼ゲリラ“輝ける道”を相手にかなりの場数をこなしてきた。
なお、ベリーズ訓練キャンプにSRT要員のスカウトに訪れたマオは、当初は上記3名の中から2人を選ぶつもりだった。

AI

亞爾(アル)(室園丈裕
ARX-7 アーバレスト及びARX-8 レーバテインに搭載されているAI。
ARX-8の名付け親でもあり、機体の設計者でもある。
ミスリル研究部のバニ・モラウタによってARX系列のASと共に開発され、ラムダ・ドライバの作動に重要な役割を果たしている。
当初はM9等に搭載されているAIとなんら変わり無かったが、『終わるデイ・バイ・デイ』における宗介との会話によって「フラグ」が立ち、常に「自由会話モード」となった。(例:宗介に、自分より冗談が上手いと言われ「肯定」と返事をした等)以降、勝手にしゃべり出すだけでなく、他機体のAIよりも高度な擬似人格を成長させ、独自のユーモアセンスを獲得し始めた。これ以降、宗介は事あるごとにアルを廃棄しようとする。(本気なのか冗談なのかは不明)しかし、アルにとって宗介は大切な戦友であって、それは宗介にとっても同様である。
『つづくオン・マイ・オウン』ではレナードのべリアルに機体を破壊されたが、AIユニットはハンターやレイスによって回収され、ARX-8 レーバテインに搭載された。
テッサ曰く「別の人生を歩んだ宗介」。アル曰くテッサは「高脅威目標」。
ダーナ(村井かずさ
TDD-1に搭載されたAI。BAda(ベイダ)と呼ばれる特殊なプログラミング言語を使って開発された最新鋭の人工知能で、TDD-1を運営する上で大きな役割を担っている。非常事態には艦のほぼ全てを制御することも可能だが、最低限の機能しか発揮できなくなる。BAdaの元ネタと思われるAdaは、実際に米国国防総省で策定され米軍のイージス艦や潜水艦、戦闘機などの開発に利用されているコンピュータ言語。
またその高度な処理能力を生かして世界中のコンピューターをクラッキングし、さまざまな機密情報の入手や情報操作をすることも出来る。
フライデー(福山潤
M9マオ機のAI。ごほうびを要求するよう、マオに教え込まれている。
ちなみにマオは『疾るワン・ナイト・スタンド』で機体を撃破されているが、それ以後に搭乗している機体のAIも同じ名前である。
クルツ機のAI (田村ゆかり
M9クルツ機のAI。コールサインは不明。日本の女性アイドルの声をサンプリングしてAIの声に設定している。クルツはそのアイドル(AI)にわざとエッチなことを言わせ、楽しんでいることもある。

アマルガム

アマルガム幹部・実働部隊

ミスタ・Au
を表すコードネーム。何度か原作本編に登場している。本名や容姿については不明だが、レナードは彼の国籍も本名も知っているらしい。レナードとは折り合いが悪く、『つどうメイク・マイ・デイ』ではついにASを中心とした戦闘部隊を差し向けて抹殺を図った。
レナード・テスタロッサ (浪川大輔
コードネーム「ミスタ・Ag」()。テッサの双子の兄。12月24日生まれ。かなめやテッサと同様にウィスパードであるが、その能力はテッサを大きく上回っている(『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』中で口にした、「出来の悪い妹」とはテッサのことを意味すると思われる)。
天才というレベルを超えたウィスパードという存在を、『選ばれた人間』として認識している。それ故に、他の人間を、"自分達を道具のように利用する愚か者"という感覚で見ている節がある。
作中で明確な描写は無いが、コダールを始めとするアマルガム系ラムダ・ドライバ搭載ASの開発を行った人物と思われる。また、人間サイズの無人ASアラストルも開発した。
物事を少々斜めに構えて見るその性格は、幼年時代に母親が他の男性と関係を持っていた事実を知っていたことや、その母親によってアマルガムに引き渡されたことなど、端的に言えば『肉親に裏切られたこと』に由来する。なお、この一連の経験は『つどうメイク・マイ・デイ』において、かなめに共振を利用して見せている。
かなめに好意を抱いており、『つづくオン・マイ・オウン』以降、彼女と行動を共にしていたが、ある出来事がキッカケでかなめの持った拳銃が暴発してしまい瀕死の重傷を負ってしまう。作者によると今後レナードは『ヤバイ部分(額)』を撃たれてしまったため、『ヤバイ方向性』になるとあとがきに記述されている。
ガウルン (田中正彦
コードネーム「ミスタ・Fe」(・TV版内での描写は無い)。9つの国籍を持つとされるテロリスト。中国語で九龍と書くが、祖国は日本で、年齢は30代と思われる。これまでに30人以上の要人を暗殺し、航空機の爆破も最低2回は行っているが、西側の対テロ組織にはほとんど知られていない。ASの操縦技能にも優れ、複数存在するコダールの搭乗兵の中で、最もその性能を引き出していた人物でもある。
シリーズ中、最大の悪役と言っても過言でない人物で、宗介やカリーニンとはアフガニスタン時代からの因縁。少年時代にはポル・ポト政権下のカンボジアにおり、当人曰く、虐殺した人間の死体を毎日のように片付けていたらしい。性格は残忍残虐であり、狂気のサディストである。沈着冷静な思考と、直感と危機回避能力に長けている。その性格から独自の美意識を持ち、宗介(カシム)に執着する。彼曰く、冷徹な頃の宗介は既存の生死観を超越した「殺人聖者」とのことである。
アマルガム幹部であったが、他の幹部との反りは合わなかったようである。「ミスタ・Fe」というコードネームには、水銀と鉄とは混ざらないという皮肉がこめられている。
実は膵臓癌を患っている身であり、その事もあってか生に対する執着が希薄である。そのため、死ぬ事をほとんど恐れていない。それが上記の性格に繋がっているともいえる。病を患う前は逆に「自分の命は地球より重い」と考えていた。
意外なことに傭兵訓練キャンプの教官などをしていたこともあるためか、部下の信任は厚い(ただし恐怖交じりの、であるが)。しかし彼自身は腹心であろうと死を前提に送り込むことをなんら躊躇しない、半ば部下を文字通りの意味で「手足」と考えている節がある。
アフガニスタン時代、宗介によって頭部に銃弾を受けるが、その時には角度が浅かったことに加え、既に頭蓋骨にチタンが埋め込まれていたため難を逃れた。本編では『戦うボーイ・ミーツ・ガール』、『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』の2度(アニメ版では『故郷に舞う風』が加わり3度)に渡って宗介に搭乗機を撃破される。しかしそれでもなおしぶとく生き残り、『終わるデイ・バイ・デイ』ではもはや自力では生きられない身体に成り果てていたが、飛兄弟(アニメ版だと夏姉妹)に指示を出し、ミスリル、ひいては宗介と対峙した。最終的には宗介によって射殺されるが、その際ベッドに仕掛けられた爆弾(恐らく生命維持装置の停止が起爆スイッチだったと思われる)で宗介を道連れにしようとした。自らが「殺人聖者」と評した宗介を、自らの手で殺すことに生きる価値を見出していたようだ。作者自身にとってもガウルンはお気に入りのキャラだったようで、「惜しい人を亡くしました」と、雑賀礼史との談話で語ったことがある。
作者がイメージとした人物は『ブラックレイン』の頃の松田優作
ゲイツ (大塚芳忠
コードネーム「ミスタ・K」(カリウム・TV版内での描写は無い)。TV版第3作『フルメタル・パニック! The Second Raid』に登場したキャラクター。ガウルンをして「凄腕のイカレ野郎」と言わしめるほどの自然体な狂人。自分の言動を否定されることを嫌い、ツッコミをいれる部下を射殺したり、作戦が失敗した際に逆上して、報告してきた部下を虐待するなど部下の扱いは極端に悪い。ただでさえ感情の乏しい玉蘭に「何を考えているかわからない」「嫌い」と言われるほどである。ガウルンとは別の意味で残忍な性格であり、衝動的に人を殺し、他人の死を楽しむところがあるなど、病的な人物として描かれている。もみ上げに願掛けをしている。
香港で夏玉芳を粛清した後にミスリルと対峙するが、宗介によって乗機を撃破され、死亡。
スティーブン・ハリスいわく、「総合的な実力ではミスタ・Fe(ガウルン)より数段劣る」とのこと。
ちなみに、原作において「ミスタ・K」のコードはアマルガムに鞍替えしたカリーニンに引き継がれている。
驚異的な早撃ちであり、兵器の代金支払いを拒んだマレス大佐をその部下が数秒唖然としてしまうほどの早さで銃を抜き大佐を射殺した。また、その後に彼にツッコミを入れた部下を同様に射殺した。
部下B
TV版第3作『フルメタル・パニック! The Second Raid』に登場したキャラクター。ゲイツの腹心の部下と思われ、物語中は常に彼と行動を共にしていた。彼に対して常に的確な助言(ツッコミ)を行っていた為、ヘリから川に突き落とされ、プールに引き込まれボコボコにされ、頭の上のリンゴを打たれ、彼のASにビルの上から蹴落とされた。一応、生死不明。
クラマ
コードネームは不明。原作に登場するキャラクター。人種的には東洋人。任務に必要とあらば非情な手段を躊躇い無く使うプロフェッショナル。その一方で文明人を自負しており、少女を殺した後に嫌悪感を表したり、サディストを嫌悪したりする面もある。『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』において、J・ロック伍長という名札のついた米軍の野戦服を着用している描写が見られたが、正確な国籍などは不明である。
宗介との因縁はガウルンほどではないにせよ深いものがあり、アマルガムに属する前、レバノンで敵として戦ったことがある。本編ではガウルンが死亡した後(『つづくオン・マイ・オウン』以降)に宗介と対峙する事になる。
禁煙中で、シガレットケースにはタバコの代わりに人参のスティックを入れている。
『燃えるワン・マン・フォース』のラストで宗介に重傷を負わせるものの、隙を突かれ逆に命を落とす。
飛鷲(フェイジュウ) / 夏玉芳(シャ・ユイファン) / レナ(- / 篠原恵美 / -)
ガウルンに拾われ、彼を「先生」と呼び慕う双子の兄もしくは姉。登場媒体(飛鷲:小説 /玉芳:アニメ /レナ:漫画)によって設定が異なるが、基本的な立ち位置は全て共通しているため一括して記す。
作中ではASの操縦を主に行っており、ガウルンの指示によってコダールmを奪取した後は、香港での破壊活動を行っていた。トゥアハー・デ・ダナンのM9部隊と交戦した後にゲイツ(原作においては単に"ミスタ・K"と記されるのみ)率いるアマルガムの実働部隊と交戦するも、撃破されて死亡する。
なお、TV版の物語初期にはゲイツの部下としてZy-98 シャドウを駆っている。
いずれの作品においても、感情が欠落しているという点は共通している。ただし、TV版の玉芳の場合、妹の玉蘭に対しては唯一の肉親として、自分の半身と同等かそれ以上の感情を抱いていたようだ。
飛鴻(フェイホン) / 夏玉蘭(シャ・ユイラン) / ジュリア(- / 沢城みゆき / -)
ガウルンに拾われ、彼を「先生」と呼び慕う双子の弟もしくは妹。兄(姉)と同様に登場媒体によってキャラクターが全く異なるが、生身での格闘術に長けるという基本的な立ち位置は同様である。
作中ではガウルンの指示を受け、かなめの暗殺を図り東京へと向かう。しかし彼女の機転によって失敗し、その場に現れたレナードによって粛清される。その遺体(原作においては頭部のみ)は香港に運ばれ、半ば見せしめとしてさらされることとなる。
兄(姉)同様に感情が欠落しており、とりわけ玉蘭に関しては、姉の玉芳に精神的支柱を依存している節があった。
アラストル (谷口節
M9等の第3世代AS(アームスレイブ)を人間サイズまでダウンサイジングした機体で「Plan1211」とも呼ばれる。レナード・テスタロッサが開発した。
戦闘訓練を受けた人間ですら易々と殺傷可能なパワーを持ち合わせているだけでなく、機動性や耐久性にも優れている。そのため、効果的な戦法は関節部分を狙うことだが、それが可能な局面は殆ど無い。
なお、腕にはマシンガン(50口径ライフルの場合もある)を内蔵しているほか、行動不能になった場合には自爆するようにプログラムされている。
スティーブン・ハリス
原作(『踊るベリー・メリー・クリスマス』)に登場するキャラクター。豪華客船"パシフィック・クリサリス号"の船長。しかしそれと同時に、アマルガムの構成員という立場にもある。"パシフィック・クリサリス号"にはウィスパードの実験・調査を行う機材が極秘に積み込まれており、世界各地を航海しつつ、各地で拉致してきた被験者の調査を行っていた。
かなめに対しても最初は物腰柔らかな姿勢を見せていたが、西太平洋戦隊によるシージャックの際はナイフを手に斬り付けている。
宗介らによって拘束されるものの、隙を突いて逃走し、さらにテッサを拉致。そして輸送機で逃亡を図るが、緊急展開ブースターを装備したアーバレストに追いつかれ、最終的には宗介に銃で撃たれ死ぬ。
サビーナ・レフニオ
レナードの部下。ポーランド人。かなめやレナードが生活している邸宅を取り仕切っており、黒いスーツと眼鏡を常に身につけている。
作中ではレナードの邸宅に襲撃を仕掛けたクルツ、マオ、クルーゾーのM9を赤のエリゴール(大口径の狙撃砲装備)で迎撃している。
リー・ファウラー
レナードの腹心の部下。『つづくオン・マイ・オウン』の冒頭にある墓参りのシーンでは、ECSで不可視化したコダールに搭乗し、レナードを護衛していた。
『つどうメイク・マイ・デイ』ではテッサの拉致を試みるも失敗に終わる。その後、レナードの邸宅に襲撃を仕掛けたクルツ、マオ、クルーゾーのM9を黒のエリゴール(超大型単分子カッター装備)で迎撃している。

元ミスリル

ビンセント・ブルーノ(原作版設定)
元ミスリル作戦本部所属。人事担当書記官。階級は少佐。
アマルガムの内通者「ミスタ・Zn」(亜鉛)でもある。このコードネームは彼の後にもミスリルに送り込まれた内通者のものとして使用されている。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』において下に記すダニガンとグェンの買収工作に関与し、ガウルンによるTDD-1奪取の一因を作った。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』の直後にミスリルから姿をくらまし、シチリア島のマフィアの元に身を寄せていた。しかし、クルツ・マオ・宗介という本来ならここにいるはずのない西太平洋戦隊SRT要員(シチリア島は本来、地中海戦隊"パルホーロン"の担当区域である)によって身柄を確保され、シドニーのミスリル作戦本部へ連行された。
余談だが、コミック版では女性キャラに置き換えられており、そちらではレズビアンであるらしき描写がある(変装したマオを抱こうとした)。
ビンセント・ブルーノ(TV版設定)(郷田ほづみ
元ミスリル情報部所属。階級は大尉。コードネームは"オーマ1"。
技術担当として長江横断トンネルにおける人質救出作戦に参加し、トンネル内とTDD-1の無線中継及び無線中継機の提供を行っていた。しかしアマルガムに買収されており、情報漏洩と作戦行動の攪乱を行った。内通発覚後はシチリア島マフィアの元に身を寄せていたが、原作と同様にクルツ・マオ・宗介によって身柄を確保され、シドニーのミスリル作戦本部へ連行された。後に拷問に屈して情報を垂れ流しにした所をみると、極めて享楽的かつ臆病な人間だったようだ。
ジャクソン(原作版設定)
元ミスリル作戦部所属。階級は大尉。ボーダ提督の秘書官。
アマルガムの内通者「ミスタ・Zn」(亜鉛)でもある。このコードネーム自体はブルーノに割り当てられていたものであるため、アマルガムと接触したのはブルーノの拘束後であろうと思われる。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』でその正体が発覚し、カリーニンによって拘束された。
グェン・ビェン・ボー (岩松廉
元ミスリル作戦部西太平洋戦隊陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は軍曹。コールサインは"ウルズ10"。
ダニガン同様にアマルガムによる買収(500万ドル)を受け、ミスリルを裏切る。
元々はベトナム陸軍に所属しており、ナイフの扱いにも優れている。
TDD-1内部でマッカランを殺害し、その後クルツを窮地に陥れるが、マオに気を取られた隙を突かれ、逆にクルツによって殺される。
なお、ウルズ10のコールサインは後にマンデラに割り振られている。
ジョン・ハワード・ダニガン (金子由之
元ミスリル作戦部西太平洋戦隊陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は軍曹。コールサインは"ウルズ12"。
西太平洋戦隊に転属する前は、南大西洋戦隊"ネヴェズ"に属していた。しかしアマルガムによる買収を受け、ミスリルを裏切る。
元々はアメリカ陸軍の空挺隊員で、爆発物の扱いにも詳しい。かなりの実戦経験を積んでいるようで、名誉負傷賞や青銅星賞を何度も授与されている。
マオやかなめ、挙句はガウルンまでも"チャイニーズ"と呼ぶなど、東洋人に対する差別意識が強い。戦友を中国人に殺されたとも取れる台詞があるが、詳細は不明。ジョンと気安く呼ばれることを嫌う。
TDD-1のブリッジから逃走したかなめを追い詰めるが、一瞬の隙を突かれ、駆けつけた宗介によって射殺される。
ジョージ・ラブロック
元ミスリル作戦部地中海戦隊陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属。階級は軍曹。
『つづくオン・マイ・オウン』におけるアマルガムの襲撃の際、幸いにもエーゲ海の基地を離れていたため難を逃れ、やむを得ずアマルガムに投降する。
その後はアマルガムにおいてアグレッサー役を務めていたが、『燃えるワン・マン・フォース』における闇バトルで宗介のサベージと交戦して乗機であるM9を撃破される。
撃破後には宗介によって情報を引き出されるが、その後の消息は不明。

都立陣代高校

2年4組の生徒

小野寺孝太郎 (おのでら こうたろう)(岡田貴之
通称・オノD。男子バスケットボール部員。熱血快活で適度にスケベな性格である。何故かオタクの信二と馬が合い、宗介も行動を共にする事がある。またクルツとはスケベ同士ということで意気投合。
学園祭の打ち上げコンパで、ビルの屋上からかなめに告白したが玉砕した。今は常盤恭子のことが気になっている。
『五時限目のホット・スポット』にて爆熱ゴッドカレーパン(このパンに関しては「相良の声を思い出す」という発言がある)を食べた際、余りの辛さに手元にあった細菌兵器ボトルを誤飲し、凄いんだか凄くないんだか微妙なバイオハザードを引き起こした。また、『身勝手なブルース』では宗介と信二を伴い合コンに参加し、その際のトラブルに当たっては自分達3人を『陣高三兄弟』と勝手に命名している。
『つづくオン・マイ・オウン』では、恭子とかなめを守りきれなかった宗介を激情に駆られて殴りかかろうとして周りの生徒や神楽坂先生に抑えられている。
風間信二 (かざま しんじ)(能登麻美子
写真部員。超が付くほどの軍事オタクで、宗介も感心するほどの知識を持っている。父親、風間信太郎は陸上自衛隊習志野駐屯地の事務官をしており、TVアニメ版『フルメタル・パニック!』ではASに乗って親子で騎馬戦に参加した。最近はお洒落にも気を使っているらしい。
その性格からかいじめにあっており、『戦うボーイ・ミーツ・ガール』では取られたネガを返してもらうためにかなめの自宅のベランダに忍び込み、その下着を取ろうとした事もある。この際に宗介によって取り押さえられた事がきっかけで、宗介との間に友情が芽生えることになる。なお、彼本人もそれなりにスケベなところがあるようで、『愛憎のプロパガンダ』において、かなめを中傷する落書き(1枚2000円で恥ずかしい写真を取らせる、というもの)を真に受け、かなめから『爽やか変態野郎』呼ばわりされている。
また、作中「マカダミアナッツの様な物」が脳裏で弾けることがあった(TVアニメ版ではブリーフが割れている)。この元ネタは間違いなく「機動戦士ガンダムSEED」の「種割れ」であろう。この際には超人的な身体能力を発揮、宗介の設置した能動的対人トラップ数十基を撃破している。ただし普段は凡々揚々とした性格である。
工藤詩織 (くどう しおり)(たかはし智秋
かなめの友人の1人。一緒に買い物に出かけたり、カラオケに行ったりする仲。髪型はショートボブ。
但し、キャラクターとしては影が薄く、その登場頻度は後述する瑞樹や蓮に比べるとかなり低い。
大学生の彼氏がいる。
常盤恭子 (ときわ きょうこ)(木村郁絵 / 豊口めぐみ
かなめが陣代高校で最初に知り合った友人。いつもデジカメを所持していて色々なものを撮影している(原作ではそのような描写はそれほど見られない)。
とんぼメガネにお下げ髪、発育途上の幼い肢体、誰とでも仲良くなれる天真爛漫な性格などから、密かにファンが多い。『愛憎のフェスティバル』でミス陣高を目指していたかなめは、「自分とは正反対の萌えベクトルを持つ最大の強敵(=恭子)」が出場しないことに胸を撫で下ろしていた。
かなめが宗介にきめたマニアックプロレス技を知っていたりする(原作では「パロ・スペシャル」、アニメでは「ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールド」)。
オスのアメリカンショートヘアを飼っており、名前は「ミア」。その写真をあちこちに見せ回っている。ただ、かなめは、仲の悪い「東海林未亜」を連想してしまうため、渋い顔をした。
『つづくオン・マイ・オウン』では、アマルガムによって人質とされてしまった。宗介とレイスによって救出されたが、その後の戦闘で重傷を負ってしまう。
向井麻弥(むかい まや)(菊池志穂
外見は三白眼にロングヘアー。アニメでは節々で出てくる。修学旅行では連絡係に任命されている。

都立陣代高校生徒会

林水敦信 (はやしみず あつのぶ)(森川智之 / 同左)
3年生で、第53代生徒会長。相良宗介からは会長閣下と呼ばれており、「何か」が通じ合ってしまう仲。いつも扇子を持っているが、たたむ度に書いてある文字が変わっている事から、常時数本を携帯しているようだ。類稀なる頭脳の持ち主で、本来ならもっと上の高校にいけたはずだが、ある理由により陣代高校に入学した。それが原因で大物政治家である父親とは互いにいがみ合うだけの仲となった。
株で生計を立てているが、住まいは外国人用の貸し部屋。屁理屈がうまく常に自信満々。生徒の権利のためといろいろな仕事を宗介達に押し付けているが、教職員の邪魔をする事を楽しんでいるようにも見えなくもない。特徴的な高笑いや尊大な態度で、一種独特の美意識から白い学生服といういでたちをしている。容姿端麗でもあるため、学内にファンクラブがある模様。ちなみに、TV版における彼の制服は、ウール製である(『五時間目のホット・スポット』)。
陣代高校生徒会は彼が興した『C会計』なる妖しげな資金源を財源の一つとして運営されている。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』以降、かなめの能力や宗介の正体、その背後のミスリルの存在に勘付いており、会長を退任する際には、宗介に警告を与えた。
宗介もまた、彼に対してミスリルの同僚に対するそれと似た「信頼」を寄せている(風間や恭子などのクラスメイトに関しては、友情は感じ、信用はしているが信頼ではないとしている)。
風間信二からオンラインゲームに勧誘された面子の中で、一週間足らずでゲーム内の経済状況を掌握してしまうほど、一番ハマりこんだ人。
陣代高校卒業後の進学先は、推薦枠で入れる国公立ではなく、自分の琴線に触れる本を書いた助教授のいる大学にする予定。
ふもっふ未放映話によると、モーニング娘。の第6期が覚えられないらしい。
美樹原蓮 (みきはら れん)(田中理恵
2年生で、生徒会書記。通称・お蓮さん。家は江戸時代から続くヤクザ"美樹原組"で、父親はその七代目組長である。なお父親に対するツッコミは、意外と容赦が無い。いわゆる大和撫子
陣代高校の女生徒の中では珍しく、丈の長いスカートを履いたり、体のラインが出ない服を着たりしている。しかしその下には、肉感的な肢体と楚々とした色香を有しており、男子生徒達からは『体操着姿は飛び道具』と評される。
何かと他人に気を使うのだが、心配する点がどこかズレており、そのことで相手が絶句してしまうこともしばしば。林水に片思い中。
林水が生徒会長を引退した後も生徒会に残り、会計監査を担当する。
岡田隼人 (おかだ はやと)
生徒会会計係。LAのストリートにでもいそうな外見をしている。
ダイクウマリュウキングガイ殺害事件の際には犯人の千鳥かなめに口封じのため殺されかけた。
かなめから"岡ピー"と呼ばれたこともあるが、このあだ名が出たのは短編『ミイラとりのドランカー』のみ。
佐々木博巳 (ささき ひろみ)(浅野まゆみ
1年生で、生徒会備品係。模型同好会に属しており、フィギュアが好き。また、ガンプラもいくつか作っている。
自宅ではシーズーを飼っていたが、『放課後のピースキーパー』において亡くなっている(享年12)。その際はショックの余り、生徒会報の『陣高だより』に載せていたエッセイを書けないほどに塞ぎこんでしまう。しかし、宗介の叱咤によって、実験的で賛否両論のエッセイを書き上げている。ちなみに、塞ぎこんだ彼の姿を蓮は「組同士の抗争で舎弟を殺された菅原文太」と例えた。
林水生徒会長引退後、生徒会副会長に就任する。
森川唯 (もりかわ ゆい)
1年3組に在籍。水泳部員。『つづくオン・マイ・オウン』冒頭にて林水の後を継いで陣代高校第54代生徒会長に就任した。厳寒であるにもかかわらず競泳水着姿で立候補演説を行った。
曽我隆(そが たかし)
1年生で、林水生徒会長引退後の生徒会書記。
倉田博史(くらた ひろし)
1年生で、林水生徒会長引退後の生徒会会計。
前田英二 (まえだ えいじ)
元生徒会潜入捜査官。林水が校内で発生する問題を早期解決するために不良グループの中に潜り込ませた。中学時代は林水と同じ学校に通っていたが、殆ど友人がいなかった。そのため林水に恩義を感じている。
『義理人情のアンダーカバー』にて、万里その他の面々から誕生日を祝われるが、本人はその事を知らず(自分の誕生日である事も忘れていた)、また、その直前にまぶらほの最新刊(雑誌掲載時にはドラゴンマガジン)を所持している事から自分の素性が割れる事を恐れていた。ちなみに、まぶらほに関しては、宗介が「そんなものを持ち歩く不良がいるものか」とコメントしている。また、フルメタの時代設定は1998年~99年だが、この時期はまだ、まぶらほという作品はこの世に存在していない。
最終的には、彼に対して限界を感じていた林水自ら、彼がスパイである事を明かし、潜入捜査官としての任を解かれて名実共に不良の一員となる。

他の組の生徒

佐伯恵那 (さえき えな)(菊池志穂
2年1組に在籍。演劇部部長。才色兼備(前年ミス陣校2位・1年学年末テスト5位)。
短編第1話『南から来た男』にて、宗介に一目ぼれしてラブレターを下駄箱に忍ばせておいたが、不審物と間違われて宗介に下駄箱ごと爆破された上、焼け焦げたラブレターの文面から脅迫状と判断されて待ち伏せされる羽目になる。ちなみに宗介はラブレター(love letter)という言葉を『後ほど強奪』(rob later)と解釈した。
『愛憎のフェスティバル』ではミス陣高に出場した。
『おとなのスニーキング・ミッション』ではイメージサロン「C&J」でアルバイトをしていた。
稲葉瑞樹 (いなば みずき)(吉田小百合
2年2組に在籍。かなめの友人。わがままで強情で陰険で見栄っ張りというやっかいな性格の持ち主。しかし、友情運には恵まれている。
初登場話である『愛憎のプロパガンダ』では、後述する白井悟がかなめを口説いているところを目撃したため、トイレにかなめを中傷する落書きを多数書き込んでいる(後に和解して友人になる)。ちなみに、この話では『機動戦士ガンダム』におけるアムロ・レイの名言を借用している。
小柄ながら出るところは出ている、いわゆるトランジスタグラマー
短編『的外れのエモーション』において椿一成に一目ぼれし終始まとわりつく(TV版では『五時限目のホット・スポット』)。
白井悟 (しらい さとる)(小西克幸
2年2組に在籍。稲葉瑞樹の元彼氏。
瑞樹からはPC-FXやJB(ジェームス・ブラウン?)のコンサートチケットなどをプレゼントされていた。その微妙さゆえか、『愛憎のプロパガンダ』の後に別れた模様。なお、この時瑞樹から過剰なまでの報復を受けた。
東海林未亜 (しょうじ みあ)
2年2組に在籍。女子バスケットボール部の副部長。努力の人。
かなめとは犬猿の仲。しかしそれは、天賦の才を無駄遣いするかなめに嫉妬している部分が大きい。
それ故に『大迷惑のスーサイド』では自殺を仄めかすファックスを送りつけ、球技大会を中止させようとしたり、『愛憎のフェスティバル』ではミス陣高出場に気乗りしていなかったかなめを宗介を使って焚き付けたりした。なお、そのミス陣高ではかなめに一点差で打ち勝った。
椿一成 (つばき いっせい)(福山潤
2年8組に在籍。空手同好会会長。殺人拳「大導脈流」の使い手で、徒手空拳に限定すれば、宗介以上の実力を持つ。性格は熱血漢。中華料理店でバイトをしている。
相手の顔の判別が出来ないほどの近眼(宗介と恭子を間違えるほど)で、本気を出す時だけ瓶底眼鏡をかけることにしている。
『純で不純なグラップラー』にてかなめに一目惚れした。同作にて宗介をライバル視するようになり、何かにつけて張り合おうとするが、かなめを恋愛対象としては意識していなかった頃の宗介には理解されずに一蹴され、空回りを続けている。
一度かなめに告白しようとした事があったが、その際は眼鏡を外していたため、宗介に向かって告白してしまった。そのため、陣代高校内で一時期、宗介と椿のやおい疑惑が浮上するという事態に至っている。なお恋愛に対しては経験に乏しく、何処かずれた行動も少なくない。
ちなみに「大導脈流」およびその技の名前は病名等から来ている。(例:大導脈流→大動脈瘤 血栓掌→血栓症 臨死堆拳→臨死体験)
阿久津万里 (あくつ まり)(浅野まゆみ
近隣一帯の不良たちを束ねる女番長。身長180cm以上の大柄な体格と殺人拳「大導脈流」を用いる喧嘩上手。仲間の誕生パーティを主催し、相手が本当に欲しがっているプレゼントを用意する面倒見の良さを有している。
一度留年しているが、その最大の原因は陣代高校の制服を着るとかわいく見られてしまうから。ラフなイメージを出すため、リボンタイを外し、スカートの下に黒いスパッツをはいてるが、それでもかなめ曰く、“かわいい”らしい(なお、かなめからは「万里ちゃん」呼ばわりされている)。
彼女を校内見かけることはほとんど無く、登校していない時はバイトをしているか、旅に出ている。
両親とは折り合いが悪いが、弟の芳樹には心を許している。しかしその芳樹は宗介におもちゃで買収されている。
日下部侠也の友人で、林水の幼なじみの「マリ」とは彼女だと思われる(『追憶のイノセント』より)。
椿と同様に大導脈流の使い手(実際に使用しているシーンはない)だが、作中の椿の台詞によれば大導脈流は一子相伝であり、何故彼女(もしくは椿)がこの流派を使いこなせるのかは不明(ただ、『真夜中のレイダース』で椿は父親から伝授されたと取れる表記がある)。
常盤恭子から、自分の飼っているアメリカンショートヘアの写真を見せられて、思わず顔がへにゃへにゃとしてしまう。
アニメ版では「阿久津万」と表記されている。
難波志郎 (なんば しろう)(千葉一伸
3年生で、社会研究部部長。部室を明け渡す条件として、各部活の代表が一日で何人の女性を連れてこられるか、というナンパコンテストを開催した。
郷田優 (ごうだ ゆう)(郷里大輔
ラグビー部主将。虫も殺せないほどに温和な性格だったが、宗介による海兵隊式新兵訓練の結果、戦闘マシーンとして洗脳される。
石原 (いしはら)
ラグビー部部員。広●涼子のファン(TV版では松浦美貴という架空のアイドルに変更)。主将同様、宗介による海兵隊式新兵訓練の結果、戦闘マシーンとして洗脳される。
小室 (こむろ)
映画研究会部員。自主制作映画「恋する七人」の監督。
須藤 (すどう)
映画研究会部員。自主制作映画「恋する七人」の助監督兼カメラマン。
マロン/ワッフル/ショコラ (黒田崇矢/稲田徹/江川央生
空手同好会部員。柔道場を勝手に占拠し、生徒会からの立ち退き要求を突っぱねて宗介に戦いを挑むものの、ワッフル(散弾銃)・マロン(催涙ガス)・ショコラ(手榴弾で気をそらして蹴り)の順に倒される。ただし、台詞はマロン→ワッフル→ショコラの順であることが多い。
なお、この3名の名称はかなめによる勝手な命名であり、本名は不明である。三つ子なのか、いずれもそっくりな体躯・容姿をしているが、唯一眉毛の形に違いがある。

教職員

坪井たか子 (つぼい たかこ)(有馬瑞香
校長。独身。教鞭を取っていた頃は数学を担当していた。
『女神の来日(受難編)』で、マデューカスとは思想や政治的信条に相容れない事が判明した。
神楽坂恵里 (かぐらざか えり)(夏樹リオ
英語教師。2年4組の担任。生徒会の顧問も務める。
宗介たちが起こす騒動に巻き込まれる不運の人で、そのたびにショックで気を失う。
ex1……自動車免許を取得し、初めて車で通勤した際、その愛車を宗介によってバラバラに解体された。(『終わるデイ・バイ・デイ』)
ex2……特別に譲渡された希少種のダイクウマリュウキングガイ(と偽ったただのサザエ)をかなめに食べられた。(『磯の香りのクックロビン』)
生徒のことを本気で大事に思っているのは確か。実際、ガウルンがかなめを連れ去ろうとした時、自分を身代わりにするように交渉した。結果的には失敗したが、口先だけでなく行動で生徒への思いを示した恵理を生徒達は信頼するようになった。
生真面目な性格と思いこみの激しさ、四人前のサーロインステーキをぺろりと食べる大食ぶりが災いしてか、20代半ばで処女(西野こずえの親切心から出た行動の結果、しばらくの間、男性不信に陥ったことも原因の一つと思われる)。
『雄弁なポートレイト』以降、美術教師である水星庵と交際している(但し、一人身である坪井校長からは嫉妬の念を抱かれている様子)。
陣代高校のOGでブラスバンド部に所属していた。
水星庵 (みずほし いおり)(宮本充
美術教師。その言動はエキセントリックかつ暴走特急(原作では(中略)が多用されている)。変人教師として都立陣代高校の教師・生徒双方に広く認知されている。
しかしてその実体はピュアなハートを持つ芸術家であり、非常に遠回りな言動は口下手である事の表れ。また、温かな人間性が描き出された絵画は英語教師の神楽坂恵理が惚気るほどである。
その神楽坂恵理とは交際中。また、相良宗介とは変人同士気が合うようである。もっとも、宗介自身は水星の言葉の意味を殆ど理解していない。
小暮一郎 (こぐれ いちろう)(池水通洋
保健体育教師。生活指導を担当。宗介や林水に対して良い印象を持っていなかったが、『すれ違いのホスティリティ』で生徒会運営のパン屋に妨害工作を仕掛けようとしたことが校長に発覚したため、休職する事になった。
ちなみに宗介は勘違いによって素晴らしい教師という認識を抱いている。
藤咲先生 (ふじさきせんせい)(中博史
国語教師(古文を担当)。バイオハザード事件の際、汚染地域を学校中に拡大させた張本人。
宿題は授業の最初に回収する分以外は受け付けず、また、遅刻者は欠席として扱うという方針から、校内では厳しい教師として知られている。
臼井 (うすい)
倫理教師。気弱そうで印象が薄い。
『おとなのスニーキング・ミッション』でイメージサロン「C&J」に通っている事が判明した。
狭山 (さやま)
社会科教師。
西野こずえ (にしの こずえ)(今野宏美
保険医。陣代高校のOG。神楽坂恵里の一年後輩で同じくブラスバンド部に所属。幼い顔立ちと巨乳の相乗効果で昔からモテていた。
恵里にとってこずえは、自らのコンプレックス(胸の小ささや恋愛問題)を刺激し、悪意なしに酷いことを言い、トラブルを引き起こす困った後輩。だが自分が精神的に追い詰められた時にはよく、こずえのいる保健室に籠もり愚痴をこぼしている。
大貫善治 (おおぬき ぜんじ)(青野武
勤続25年の用務員。間違いなくシリーズ中、最恐の人物。普段は温厚で物静かだが、キレるとチェーンソーを振り回して大暴れするバーサーカーへと変貌する。その際の戦闘能力は凄まじく、銃弾をものともしないほどである(TV版では手榴弾を噛み砕き、かつ体内で爆発しても無傷だった)。また、宗介をして「別の人生を歩んでいれば、史上最強の傭兵として名を残しただろう」と言わしめた。
短編の『善意のトレスパス』において、可愛がっていた鯉の「カトリーヌ」を殺した(夕食に供した)宗介と一成を絶体絶命の窮地に追い込んだ他、『真夜中のレイダース』において、同じく可愛がっていた桜の木の「グレース」を倒された時にもチェーンソーを振るっている。ただしこの際は、グレネードランチャー、50口径ライフル、散弾地雷及び、大導脈流の超・究極奥義『心浮漸』によって無力化された。
なお、「カトリーヌ」及び「グレース」の名前については、それぞれ『フランスの大女優』と『アメリカの大女優』から取られている。

陣代高校生徒の家族・縁者

千鳥あやめ (ちどり あやめ)
千鳥かなめの妹。父親とニューヨークで暮らしているため、本編には直接登場していない。ただし、国際電話を使ってかなめとは連絡を取り合っている。
12月24日生まれのかなめはクリスマスプレゼントと誕生日プレゼントをセットにされてしまうのに対して、あやめは5月生まれであることからそれぞれを別に貰えていた。そのため、小さい頃にはそれが原因で喧嘩をしたこともある。
小村修二郎 (こむら しゅうじろう)
旧日本海軍第302哨戒中隊所属。当時の階級は中尉。隊では数少ない生き残り(第302哨戒中隊の元ネタは機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYアナベル・ガトー少佐の一年戦争時代の所属部隊名である)。千鳥かなめの母方の祖父(千鳥かなめの性格は彼の隔世遺伝とも取れる)。娘(かなめの母)が駆け落ち同然で家を出たため、かなめと小村家はほとんど絶縁状態にあるが、彼だけはかなめのことはいつも気にかけている。
『迷子のオールド・ドッグ』で登場し、かなめに彼女の母(=自分の娘)の日記を届けるために東京を訪れていたがその日記を鞄ごと引ったくりに奪われたため、居合わせた宗介と共にその捜索を行い、彼を“武士(もののふ)”と称えた。
阿久津芳樹 (あくつ よしき)(浜田真瑞
阿久津万里の弟。江原や雨宮高美とは幼馴染。芝崎小学校の五年生。
『妥協無用のホステージ』では宗介におもちゃで買収され、わざと人質となった。
『暗闇のペイシェント』では廃病院で暮らすゲンさんのために怪談話をでっち上げ、友人達と共に、興味半分にやってくるカップルなどを手製の仕掛けや変装などで追い返していた。
『放課後のピース・キーパー』では芝崎小学校勢力の指揮官として『聖地』の領有権を泉川小学校勢力と争っていた。
美樹原寛二 (みきはら かんじ)(小山武宏
弱小暴力団美樹原組の七代目組長。作中では病に伏せっているが、江戸時代から続く伝統、義理人情に篤い質実な人柄から、子分のみならず周囲の親分衆からもひとかどの敬意を表されている。若い頃は『仏滅の寛二』と恐れられた極道であった。
若頭の柴田に、ボン太くん(宗介)を用心棒とすることを提案された際はふざけているものと思い込み、長ドスで斬りかかるに至ったが、寸前にボン太くんの飛び蹴りを喰らい無力化される。それによってボン太くんの強さを認めるものの、「七代続いた組も、おしまいよ……」と陰で涙した。
速見伸彦 (はやみ のぶひこ)
東京都議会議員。元作家であり、「速見伸彦」の名はその時からの筆名。本名は「林水伸彦」。都立陣代高校生徒会長林水敦信の父でもある。
正義感が強く、それゆえ相反する思想の政治結社から命を狙われるなど、敵が多い。
シロ
左目のつぶれた白いベンガルトラ。2年前にミャンマーで宗介と出会った。宗介にとって人間以外の「戦友」と言える存在。
宗介と戦友だった元傭兵の密猟者より「他の密猟者に捕獲されて日本で剥製にされそうになる」と宗介に知らされると、すぐに救出され一時は宗介の部屋や陣代高校の屋上を仮住まいとするが、いろいろと問題があったためにメリダ島の演習場に送られ、現在はそこで暮らしている。なお、テッサには「猫(一頭)」と書類で知らせてある。
『つづくオン・マイ・オウン』ではメリダ島で敵から逃れるマオの前に現れている。その後の消息は不明。

都立陣代高校以外の生徒・教職員

江原 (えはら)
阿久津芳樹や雨宮高美とは幼馴染。泉川小学校の五年生。
「放課後のピース・キーパー」では泉川小学校勢力の指揮官として『聖地』の領有権を芝崎小学校勢力と争っていた。
雨宮高美 (あめみや たかみ)(下川みくに
阿久津芳樹とは幼馴染で同級生。江原とは幼馴染。芝崎小学校の五年生。
幼稚園時代に両者からプロポーズされた。マセた性格。
声優はアニメ「フルメタル・パニック」シリーズで主題歌を歌っている下川みくにが担当。
塩原 (しおばら)
駒岡学園高校の2年生で生徒会長を務める。林水とは同じ中学校。
宗介やかなめをあからさまに見下したような態度を取ったため、宗介の生徒会長の基準である『紳士的で聡明な人格者』ではないことから宗介に偽者と判断されて顔面にゴム弾を叩き込まれた。
高山清司 (たかやま きよし)
硝子山高校2年生。不良グループの一人。西山中学に通う14歳の妹がいる(宗介の脅迫の対象となった)。
不破先輩 (ふわせんぱい)(うえだゆうじ / 子安武人
千鳥かなめの中学校時代の先輩で、彼女の初恋の人。
新浦知子 (にいうら ともこ)
林水敦信の中学時代の友人。家出少女で盗みの天才。
都立陣代高校への進学を希望していたが、交通事故で死亡した。
この出来事は、林水敦信が親の反対を押し切り都立陣代高校へ入学した原因にもなっている。
日下部侠也 (くさかべ きょうや)
新浦知子の友人だった不良少年。林水を憎んでいたが、後に和解。
赤城真奈美/黄楊まどか/碧川祥子 (嶋崎はるか/水橋かおり/村井かずさ
赤城真奈美(あかぎ まなみ)・黄楊(つげ)まどか・碧川祥子(みどりかわ しょうこ)の3人は、稲葉瑞樹の中学時代の友達。瑞樹は引っ越しで学区が替ったため、彼女らと同じ高校へ進学できなかった。
名前を覚えるのが苦手なかなめからは『信号機トリオ』と心の中で呼ばれていた。
硝子山高校ラグビー部長 (渡部猛
硝子山高校のラグビー部長。ゴリラ顔。
陣代高校ラグビー部との試合の際には、宗介に顔面キックを喰らわされ負傷退場した。(パントをボールへのキックではなく、対戦相手へのキックと勘違いされたため)
小金井先生 (こがねいせんせい)
元都立陣代高校教諭。現在は熊本県立麻留中学台空島分校の教諭。
かつては学会でも名の知れた生物学者だったが、現在は少々ボケ気味であり、ただのサザエを新種の貝「ダイクウマリュウキングガイ」だと称して都立陣代高校に送ってきた。

各国正規軍・情報機関関係者

アメリカ軍(退役軍人含む)

ケヴィン・スカイレイ
退役海軍中将。ボーダ提督の旧友であり、テッサの大ファン。
戦闘機パイロットとしてベトナム戦争を潜り抜け、その後航空団司令、さらには空母の艦長を務め上げる。ベトナムではベイルアウトして敵地を彷徨った経験もある。
若い頃は甘いマスクで浮き名を流していたが、作中では"髪の薄くなった、二重顎のおっさん"である。ただし、本人はまだまだ色男であるという認識を持っている。
宗介はクルツが年を取ったらこうなるであろうと想像している。
トーマス・ロス
退役海軍少将。ボーダ提督の旧友であり、テッサの大ファン。
潜水艦艦長を務めた後に、左遷されるなどの紆余曲折を経て艦隊司令となった。
かなりハイテンションな性格をしている上に露出癖があり、テッサの前で下半身に施した刺青を見せ付けるためにやたらとズボンを脱ぎたがる。作中では描かれていないが、本編の1年前に実際に脱いでおり、それを目の当たりにしたテッサにとっての一生のトラウマとなった。
マデューカスが発狂したらこうなるであろう、と宗介は想像した。
ジェンキンス准将 (石波義人
TV番第1作のみに登場するキャラクター。
海軍准将。ペンタゴンのお偉いさん。
西太平洋戦隊がペリオ諸島を制圧した際、カリーニンとの会談のためイージス艦"バンカーヒル"に乗艦していた。
ロイ・シールズ
退役海軍大佐。数年前まで海軍特殊部隊に所属していた。ボーダ提督の旧友であり、テッサの大ファン。
数多くの極秘作戦に従事しており、顔にはいくつもの傷跡が残っている。しかし強面の外見とは裏腹に、テッサに息荒くモーションをかけてくるため、"別の意味で危ない人"になっている。
カリーニンが色ボケしたらこうなるかもしれない、と宗介は想像した。
『つどうメイク・マイ・デイ』では宗介のためにM6A3 ダーク・ブッシュネルを調達してきた。その後のアマルガムの拠点への襲撃作戦にも参加している。
ジョン・ジョージ・コートニー
退役海兵中佐。ボーダ提督の旧友であり、テッサの大ファン。ASとF言葉の使い手で、何かと"ファッキン"(『老兵たちのフーガ』では"●ァッキン")という言葉を頭に付け加える癖がある。
将官になることで現場から離れるのを嫌い、上官を殴りつけて昇進を取りやめさせた事もある。
退役してもなおテンションが高く、近所の海兵隊基地に乗り込み、ASの操縦を楽しんでいる。
『つどうメイク・マイ・デイ』ではフロリダにて宗介のリハビリ(という名の海兵隊式訓練)に協力し、その後行われた襲撃作戦にも協力している。なお、その際の発言からベトナム戦争において、ケサン基地攻防戦に参加していたことが判明した。
宗介の想像は悪酔いしたマオ。
カール・テスタロッサ
海軍中佐。ロサンゼルス級原子力潜水艦"ダラス"の艦長。"ダラス"は実在する艦である。(ロサンゼルス級SSN-700)
レナード・テッサ兄妹の父親。
バレンツ海でマデューカスに助けられた礼として、ポーツマスの自宅に彼を招いたことがある。その際、既にウィスパードとしての能力を開花させつつあったレナード・テッサ兄妹の将来を案じており、マデューカスにその事を話している。なお、この際に本編でマデューカスが被っている帽子を渡している。
その後太平洋艦隊に異動となって一時的に沖縄に配属されるが、その2年後に自宅で強盗(実際はテッサとレナードの拉致を目的とした"どこかの諜報部")に襲われ、猟銃で応戦するものの、妻のマリアと共に殺害される。
かなりの愛煙家であり、海軍賛歌の替え歌を作る程に葉巻を嗜んでいた。
キリィ・B・セイラー (廣田行生
海軍中佐。改良型ロサンゼルス級原子力潜水艦"パサデナ"の艦長。"パサデナ"は実在する艦である。(改ロサンゼルス級SSN-752)
身長6フィート、黒髪、短髪、筋肉質の白人男性。その容貌は『コメディに出ているときのアーノルド・シュワルツェネッガー』に似ている。
『原子力バカ』や『垂直発射式バカ』など、他人を罵倒する際は『(潜水艦関連用語)バカ』という表現をする。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』においてトイ・ボックス(= TDD-1)にいい様にあしらわれたため、TDD-1に対する心象は悪い。
艦長になる以前には、先述したカール・テスタロッサ中佐(レナード・テッサの父親)が艦長を務めるロサンゼルス級原潜"ダラス"にて甲板士官を務めていた。なお、"ダラス"はバレンツ海で当時マデューカスが指揮していた"タービュラント"によって撃沈の危機を免れたため、彼はマデューカスを恩人と思っている。
イライザという名の妻がいるが、その仲は完全に冷え切っている。『踊るベリー・メリー・クリスマス』では豪華客船のクルーズに誘おうとしたのだが、そのときには既に実家に帰ってしまっていた。
キャラクターは作者が以前関わっていた『蓬莱学園』シリーズの桐部征良(きりべ せいりょう)が元ネタ。
マーシー・タケナカ (松本大
海軍大尉。改良型ロサンゼルス級原子力潜水艦"パサデナ"副長。"パサデナ"は実在する艦である。(改ロサンゼルス級SSN-752)
日系アメリカ人。直情径行なセイラーとは対照的に、冷静な性格をしている。そのためセイラーの抑え役(ツッコミ役)となっている。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』ではハワイで休暇を楽しむはずがセイラーに無理矢理付き合わされた挙げ句、シージャックに巻き込まれてしまう。しかしシージャック犯がミスリルであり、その目的もあって、これと言った危害を加えられる事は無かった。なお、その際は潜入していたレイスとディナーを共にしている。
キャラクターは『蓬莱学園』シリーズの竹中正樹(たけなか まさき)が元ネタ。
エド・オルモス
アメリカ海軍特殊部隊所属。階級は二等軍曹。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』にて、ペリオ諸島を占拠したテロリスト(=アマルガム)の制圧作戦に参加したが、ガウルンのコダールiによって搭乗機であるM6A3を撃破されて死亡する。
バンカーヒル艦長 (宗矢樹頼
アメリカ海軍所属。階級は不明。氏名不明。イージス艦"バンカーヒル"(CG-52)艦長。"バンカーヒル"は実在する艦である。(タイコンデロガ級CG-52)

イギリス軍

ブラウン
海軍中佐。チャーチル級原子力潜水艦コンカラー艦長。フォークランド紛争当時のマデューカスの直属の上司。
なお、架空の人物であるマデューカスとは異なり、彼は現実にフォークランド紛争に従軍した、実在する軍人である。フルネームはクリストファー・リーフォード・ブラウン。

バリク共和国政府軍

マレス大佐 (五王四郎
TVアニメ版第3作『フルメタル・パニック! The Second Raid』に登場するキャラクターで、内戦中のバリク共和国政府軍の指揮官。
異教徒である難民を抹殺しようとしたが、ミスリルの介入によって阻止された。アマルガムの実働部隊から兵器の供与を受けていたが、代金を払わないと言ったためゲイツに殺された。

フランス対外保安総局(DGSE)

ミシェル・レモン
DGSEに所属するエージェント。ソルボンヌ大学出身で、本人曰くIQは150。
『燃えるワン・マン・フォース』にて、ナムサクにあるAS闘技場がアマルガムと関係あるとみて潜入を試みていた。その際は身分をルポライターと偽っており、その身分でナミ達"クロスボウ"のメンバー及び宗介と接触した。
『燃えるワン・マン・フォース』のラストで重傷を負った宗介を保護し、『つどうメイク・マイ・デイ』では上司のデルクールの死後、部下を伴って彼と行動を共にしている。なお、そのラストでテッサに一目惚れした。
デルクール
DGSEのエージェントでレモンの上司。40過ぎの痩せ型の男性で、黒髪で口ひげを蓄えている。
その気になれば高級官僚にもなれるほどの経歴を持つレモンとは異なり、叩き上げのエージェントである。それ故にレモンを『大学院出のおぼっちゃん』として侮っている節がある。
マルキーズ諸島のヒバオア島で宗介から情報を引き出そうとしていたが、その直前にアマルガムの奇襲を受けて死亡する。

自衛隊

風間信太郎 (かざま しんたろう)(沢木郁也
TV版第1作のオリジナルエピソード『習志野は燃えているか?』に登場。風間信二の父だが、原作には登場していない。陸上自衛隊習志野駐屯地において事務官を勤める。
ASにも乗らずに事務官職に就いたことが理由で、信二との仲は良くなかったが、習志野駐屯地でのAS騎馬戦を機に親子の絆を取り戻した。なお、この時は信二と共に96式に搭乗していたが、AS搭乗資格の有無については不明。
赤城龍之介 (あかぎ りゅうのすけ)(稲田徹
TV版第1作のオリジナルエピソード『習志野は燃えているか?』に登場。陸上自衛隊練馬駐屯地のAS搭乗員で、部下と共に練馬レッドドラゴンというチームを組んでいる(宗介は彼らを練馬大根と一蹴した)。およそ自衛官とは思えない風貌の優男。
習志野駐屯地で行われたイベントでは、ルール違反を駆使して毎年習志野側を完膚なきまで叩きのめしていたが、この話では、最後のAS騎馬戦で煮え湯を飲まされる事になる。
なお、『習志野は燃えているか?』ではアニメ『機動戦士ガンダム』のパロディーが非常に多くみられる。

ソ連軍(KGBを含む)

スミノフ(岸野一彦
KGB所属。階級は大佐。『戦うボーイ・ミーツ・ガール』の冒頭、ハバロフスクにてウィスパードの少女を用いて実験を行っていた。
最終的にはTDD-1による巡航ミサイル攻撃で研究所を壊滅させられ、また、ガウルンによって党本部に無断で行っていた研究が発覚したため、ルビアンカに拘束された。
セルゲイ・ハバロフ
短編『極北からの声』に登場するキャラクター。
ソ連海軍所属。ヴィクターIII級(671RTM型)原子力潜水艦“K-224”艦長。階級は中佐。
40代半ばの大食漢で、気さくな性格をしている。カリーニンとは同郷のよしみでよく話す間柄だった。アフガニスタンに息子が出征しており、カリーニンからアフガニスタンの情勢を聞きたがっていた。
作中では北極海において秘密裏に情報収集任務に就いていたが、その際ムサシ航空のボーイング747が付近に墜落した事を察知し、救援に向かう決断をする(それによって宗介が救助された)。
しかし、帰港後に命令無視を問われて艦長職を解かれ、極東艦隊での勤務となったとされる(カリーニンはシベリアに移送されたと推測している)。その際はすべての責任を負い、クルーに対しては一切咎がないと供述したという。
クリヴェンコ
短編『極北からの声』に登場するキャラクター。
ソ連の特殊部隊"スペツナズ"副官。階級は中尉。カリーニンの部下。
オスキン
短編『極北からの声』に登場するキャラクター。
ソ連海軍所属。ヴィクターIII級(671RTM型)原子力潜水艦“K-224”機関部クルー。階級は曹長。
スヴェルドロフスクの炭鉱夫の家の出身で、登山経験もある。また、頭が切れて観察力もある。
カリーニンと共に墜落現場に向かい、生存者の救援に当たっている。

ベリーズ軍

フェルナンデス
ベリーズ陸軍の大佐。「こだわりのある革命家の集い」による誘拐事件の救出作戦をミスリル訓練キャンプに依頼した人物。

A21関係者

武知征爾 (たけち せいじ)
傭兵としてベトナムをはじめとする戦地を転々とした後に、無人島を買い取り、凶悪事件を起こした非行少年を更正させるための組織"A21"を立ち上げた人物。
無人島に非行少年達を放り込み、サバイバル、戦闘技術を叩き込むことで彼らに自信を与え、犯罪に手を染める必要をなくすことには成功したが、後にマスコミの起こした事故により社会から批判されて自殺する。
セイナ曰く、カリーニンと雰囲気が似ている。
クガヤマ・タクマ (千葉進歩
A21構成員の1人。ラムダ・ドライバの矯正を受けたベヘモスのパイロット。そのため薬を飲まないと冷静さを保てなくなる。また、実の姉を殺害しており、ラムダ・ドライバの実験もあいまって精神に変調をきたし、セイナを姉と思い込んでいる。
負傷した身でベヘモスを起動させ、マオのM9を撃破するものの、宗介のアーバレストによって撃破され、死亡する。
拘束されていた際に行動を共にしていたテッサに好意を抱いていたが、その思いが届くことは無かった。
なお、クガヤマ・タクマという名前は偽名であり、“ニュージーランドから帰国してきた短期留学生”として入国する際に自ら名乗ったものである。彼の本名はタテカワ・タクマである。
セイナ (浅野まゆみ
A21構成員の1人。実質的なリーダー役を務めていた。日本政府に拘束されたタクマを奪還するためにサベージに搭乗して防衛庁の施設を強襲し、その際にカリーニンを拘束した。
ベヘモスを起動させるために必要な人材であるタクマを制御しやすいように、自分を姉だと思い込ませている。実際は天涯孤独の身であり、彼女はタクマを利用している事に若干の罪悪感を抱いていた。
拠点にしていた“ジョージ・クリントン号”が沈む際に、カリーニンと共に脱出するが、その直前に負った怪我が原因で死亡する。
オオイ/ウエダ/ヤシロ/ハタノ
A21構成員。このうち3名がタクマを奪還するために宗介のマンションを襲撃して返り討ちにあって死亡し、1名は伏見台高校において発生した銃撃戦で宗介に射殺されている(誰が伏見台高校で死亡したのかまでは詳しく書かれていない)。

アフガニスタン(ヘルマジスタン)関係者

マジード
異名「バダフシャンの虎」。アフガニスタン(アニメ版ではヘルマジスタンという架空の国)ゲリラの指揮官。山岳地帯での戦いにかけては並ぶものの無い戦術家であると同時に詩人でもあり、建築学者でもある。
ソ連の暗殺者として送り込まれた宗介を捕らえたが、慈悲深い彼は「カシム」という名を与えて自分の子として迎えた。モデルはアフガニスタンのムジャーヒディーン司令官、アフマド・シャー・マスードと思われる。
ザイード (子安武人
TV版第1作のオリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場するキャラクター。
宗介が"カシム"と呼ばれていた頃に出会った三つ年上の青年。
宗介に様々な戦いのイロハを教えたが、ゲリラのキャンプにいるところをガウルン率いる部隊によって強襲され殺されたと考えられてきた。
しかしZy-98 シャドウに搭乗し、ガウルンの部下として登場する。
ハミドラー
ゲリラの1人。紛争以前にはカブールで電気屋を営んでおり、内戦で店を失った事からゲリラに加わった。
鹵獲したASを改造して、まだ子供だったカシム(=宗介)にも操縦できるようにしたのは彼。
ヤコブ
アフガニスタン(アニメ版ではヘルマジスタンという架空の国)ゲリラの老戦士。
上官のマジードよりカシム(宗介)を預かり、戦いの術や慈悲の心を授けた。
宗介が酒を好まないのは、「アルコールは脳細胞を破壊する」からだけでなく、彼の教えが大きく影響しているものと思われる。

AS闘技場(アレーヌ)関係者

ナミ
長編『燃えるワン・マン・フォース』に登場するキャラクター。
東南アジアの都市"ナムサク"にあるAS闘技場(アレーヌ)で、弱小チーム"クロスボウ"のオーナー兼整備士を務める少女。彼女が所有するRk-91は故郷の村に打ち捨てられていたものであり、そのRk-91で闘技場で金を稼ぎ、荒廃した村を復興させる事、とりわけ、学校の再建を夢見ていた。
父親は日本の商社マン。母親は内戦の影響で死亡している。また、カトリック信者である。
誰に教えられたわけでもなくASのシステムや整備方法をほぼ独学で習得していたこと、通常ならば膨大な時間を要するサベージの制御システムを数時間で独力で完成させたこと、かなめとの共振を行ったとも取れる描写があるなど、ウィスパードの素質があると思われる節がある。
宗介に好意を寄せるようになった矢先、クラマの凶弾に倒れる。その亡骸はレモンによって故郷の村に葬られた。
アッシュ
長編『燃えるワン・マン・フォース』に登場するキャラクター。
"クロスボウ"で整備士を務める青年。東ドイツ出身で、東西ドイツ統一の直前、僅か3日ほどワルシャワ条約機構軍のRk-89を整備した経験があるという触れ込みだけでナムサクに流れつき、"クロスボウ"で働いている。
宗介やレモンとも試合を重ねるうちに仲を深めていったが、彼らの目的を知ってからは決別している。
署長
長編『燃えるワン・マン・フォース』に登場するキャラクター。
ナムサクの警察署長。アレーヌの運営を是正(特定チームの突出を防ぐことで、長期に渡って利潤を確保する)するため、宗介に八百長を持ちかける。
アマルガムの関係者でもあるが、その立場は低い。
宗介とダオが交戦している際、吹き飛ばされたダオのM6の右腕の下敷きとなって死亡する。
ダオ
長編『燃えるワン・マン・フォース』に登場するキャラクター。
強豪チーム"オーガ"でAS操縦士を務める男。搭乗機はM6。
勝利のために卑劣な手を使うことも厭わず、対戦相手を試合とは無関係の所で罠にはめ、殺害する事も多々ある。「燃えるワン・マン・フォース」のラストで宗介の乗るサベージに撃墜され死亡。
リック
長編『燃えるワン・マン・フォース』に登場するキャラクター。
アメリカ海兵隊出身で、傭兵時代の宗介の戦友。"クロスボウ"で宗介が来る前にASの操縦を行っていた。アレーヌでは『密林の荒鷲』という二つ名を名乗っていた。
しばしば宗介からは背中に気をつけるよう注意されていたが、不幸にもその指摘通り、ダオに背中をナイフで刺されて殺されてしまう。
そのため、セリフや具体的な人物描写は皆無であるが、ナミの言葉を借りれば、かなり自信過剰な性格で、女好きな人間であったようだ。

マスコット

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その他(TV版・原作版に登場)

カモイ(声優はクレジットされていない)
長編『終わるデイ・バイ・デイ』に登場するキャラクター。
援助交際を持ちかけてかなめをラブホテルに連れ込んだ中年男。逆にかなめに利用され、スタンガンで気絶させられた挙句にバスタブに手錠で括りつけられた。
ゲンさん(植村喜八郎
短編『暗闇のペイシェント』に登場するキャラクター。
廃病院で母親(自殺した院長の妻)と暮らしている。
ゲンさんの母(鳳芳野
短編『暗闇のペイシェント』に登場するキャラクター。
廃病院に現れる老婆の幽霊。(ゲンさん曰く10年前の火災で亡くなった人との事)
正体はゲンさんの母であり、廃病院で息子とともに暮らしている。出入りする子供達には内緒にしていた。
柴田 (しばた)(西脇保
美樹原組若頭。忠義心に篤く一本気な性格だが、酒癖が悪く喧嘩っ早い。5歳になる子供がいる。
ダイクストラ議長 (内田直哉
「こだわりのある革命家の集い」(コダ革)の暫定的永久指導者。キューバカストロ議長は「ハトコの友達」。
ベリーズの大統領令嬢を拉致して身代金を要求し、救出に向かったベリーズの訓練キャンプ要員を返り討ちにするが、訓練キャンプ時代の宗介らによって制圧される。
ちなみに、「こだわりのある革命家の集い」という名称は、西太平洋戦隊が長編『踊るベリー・メリー・クリスマス』でパシフィック・クリサリス号をシージャックする際にも用いられた。ただし、徹底はしていなかった模様で「ちがいのわかる赤軍派」や「素材にこだわる解放戦線」(ソザ解)という亜種が登場している。
大統領令嬢 (田村ゆかり
べリーズ大統領の娘。名はマリア。「こだわりのある革命家の集い」に誘拐され身代金(512万1076ドル25セント)を要求された。
脅迫ビデオ(原作ではトランスフォーマーのビデオに上書きしていた)には彼女のバニーガール姿が映されていた。
バルベーラ(ミケール・カマンドーナ
シチリアマフィア「バルベーラ・ファミリー」の親分。ミスリルを裏切ったブルーノを邸宅に匿っていた。
原作版ではクルツの持ち込んだフェラーリ・F40の爆発に巻き込まれて死亡した。
日向柾民 (ひゅうが まさたみ)(野田順子
とある海岸にある豪邸の主人。病弱な大金持ちの子供。短編『鋼鉄のサマー・イリュージョン』に登場。
裏切られることが嫌いだが、これは(一方的な)思いを寄せていた従姉が駆け落ちして彼の前から姿を消したことに由来する。
かなめに一目ぼれして邸宅に連れ込んだが、彼女が拉致されたと思い込んだ宗介に踏み込まれる。その際は蝶々に似ている事が名前の由来になった、折りたたみ式の刃物(アニメでは釘バットに変更)で宗介に立ち向かい、一蹴されるものの、その度胸は認められた。何でも悲劇的に考えてしまいがちな性格である。
鷲尾 (わしお)(沢りつお
日向柾民邸の運転手兼ボディガード。元フランス外人部隊所属。格闘術(中国拳法)の名手。
日向邸に侵入した宗介を迎え撃ち、トリッキーな動作で彼を翻弄するものの、宗介が誤射した実弾のグレネードによる爆発で落下した建材が直撃して昏倒する。
鮫島 (さめじま)(清川元夢
日向柾民邸のコック兼ボディガード。元フランス外人部隊所属。ナイフの名手。外国人部隊時代は『切り裂きサミー』という異名を持っていた。
日向邸に侵入した宗介を迎え撃つが、かつての戦歴を語っているうちにグレネードの訓練弾を顔面に受けて昏倒する。
豹堂 (ひょうどう)(宝亀克寿
日向柾民邸の庭師兼ボディガード。元フランス外人部隊所属。ボウガンの名手。
日向邸にて宗介を最初に迎え撃ったが、まるで手も足も出ずに一撃で倒される。
ベアール(声優はクレジットされていない)
ベルギーで『ブリリアント・セーフテック社』を営む武器商人。宗介曰く「カネにはうるさく、間抜けなところも多いが、道義は守る男」とのこと。宗介と共に量産型ボン太くんを開発した人物である事から、何やらあい通じる所があるらしい。
宗介は、ベアールを通して武器弾薬類を購入しているものと思われるが、その彼はというと、作中では違法なものにも手を出している模様。原作版では宗介にプルトニウムの購入を持ちかけたこともある。
また、拳銃の部品と間違えて宗介に化学繊維を分解する生物兵器を発送してしまったこともあり、それが原因で陣代高校がバイオハザードに見舞われたこともある。
『カネさえ払えば、クレムリンでも買ってきてみせる』が信条だが、これの元ネタはエリア88のマッコイじいさんである。独自の商品配送ルートを持つらしく、様々な危険な物資を日本にも大量に運び込んでいる。
ぽに男 (ぽにお)(成田剣
ポニーの覆面をして、女生徒を襲う神出鬼没の痴漢。アニメ版のクレジットではポニーと書かれていた。かなめ曰く「極めて特殊な変態」であり、長髪の女性の髪をブラシをかけ、針金でポニーテールにした上、瞬間接着剤で固めてしまいポニーテールを強要する。彼曰く、ショートのうなじの色っぽさ、ロングの女の子らしさという、一見矛盾する二つの要素を兼ね備えた完璧なヘアスタイルが「ポニーテール」なのである。覆面をとった顔も馬顔であった。
台詞の殆どが「ぽにぽに」といった「ぽに語 (?)」である。しかしボン太くん(宗介)とは「ぽにぽに」「ふもっふ」のみで会話を成立させていたりする。
モデルは作者・賀東招二の友人で「業界一のポニーテールフェチ」の呼び声も高い漫画家井上よしひさ。もちろん井上自身がこのような犯罪行為を行っているわけでは決してない。
ミラ(声優はクレジットされていない)
『戦うボーイ・ミーツ・ガール』の冒頭(TVアニメ版第1作第1話)で宗介に保護されたウィスパードの少女。このシーンでは名前も出ておらず、再登場し、名前が判明するのも『つどうメイク・マイ・デイ』の終盤である。
国籍などは明かされていないが、作中で「日本に帰れるぞ」と声をかけられていることから、日本人であるとも考えられる。また、拉致される前はテニス部に所属していた。
当初はKGBの施設で実験対象となっており、薬漬けの状態だったが、ミスリルに保護されたのちにリハビリを行った結果、『つどうメイク・マイ・デイ』の時点では通常のコミュニケーションが取れるレベルにまで回復し、ウィスパードとしての能力も開花させている。
ARX-8 レーバテインの完成に多大な貢献をしたらしい。もっとも本人は『手伝っただけ』と控え目であった。また、かつて宗介に助けられたことを覚えていて、レーバテインの開発には宗介への恩返しの意味もあった。
読者の間で『妖精の目』の開発者(作中では『彼女』と表記されている)ではないかと思われている人物であるが本当にそうであるかは不明。
若菜陽子 (わかな ようこ)(平松晶子
泉川署交通課の婦人警官。自称・凶悪犯罪課特命武装刑事。女性では最恐の人物。
刑事志望だが、普段からキレかかった性格と、公務員として問題のある行動が災いして、なかなか転属できない。そのため暇を見つけては独自で未解決事件を調査し、解決させてポイントを稼ごうと躍起になっている。ちなみに、刑事を志望するきっかけになったのはアメリカのドラマ『マイアミ・バイス』。同作に登場したフェラーリ・テスタロッサを購入するために金を貯めていた時期があったが、さすがに断念している。
逃走する交通違反者に対しては、あらゆる運転テクニックを駆使し、地獄の果てまでミニパトで追走する。射撃、近接格闘にも長けており、ボン太君を装備した宗介との戦闘では、宗介を追い詰めるほどの戦闘能力をみせた。日本の警察機構では特殊部隊にしか配備されていない自動拳銃を複数所有するなど、その背景は謎である(声が平松晶子なのは逮捕しちゃうぞの小早川美幸のパロディを意識しての配役と考えられる)。
システム管理者を丸め込んでオンラインゲーム『ドラゴン・オンライン』をやりこむなど、警察官としての資質も疑わしい。
なお、『自慢にならない三冠王?』のあとがきによれば、彼女には現実のモデルが存在する。

その他(原作版のみ登場)

イリーナ・カリーニン
カリーニンの妻で著名なバイオリン奏者。
短編『極北からの声』に登場するキャラクター。ただし作中においてその存在が語られるのみであり、セリフは無い。
「ココアと味噌ペースト入りの特製ボルシチ」の考案者。これは表沙汰には出来ない任務に就いているのと自分の公演に乗じて任務のために西側へ行く夫に対する非難としての嫌がらせと思われるが(テッサによる推測)、むしろ功を奏していた。
医療事故によってお腹の子供と共に亡くなってしまう。このことがカリーニンに祖国を捨て、ゲリラに身を投じさせる直接の原因となった。
宗介の母
短編『極北からの声』に登場するキャラクター。名前は不明。そもそも息子である宗介自身、相良宗介という氏名自体がカリーニンによって付けられたものであるため(衣服のタグにさがらそうすけとのみ記載されていたため、それに漢字を当てた)、苗字が「相良」であるという確証もない。
フルメタ本編の13年前に起きた北極海での航空事故に巻き込まれる。かろうじてカリーニン達が救出に来た時点では生存していたが、救出中に墜落機が水没し始めたため脱出できず、最期の瞬間、宗介に「たたかって」と言葉を残しそのまま海に沈んでいった。その直前に宗介と別れる時に発した「いきなさい」の言葉は「行きなさい」とも「生きなさい」とも読める、深い台詞であるとその場に居合わせたカリーニンは感じていた。
『燃えるワン・マン・フォース』の冒頭で、宗介が見た夢に現れている。なお、その際には「生きるのよ。戦いなさい」という台詞を発している(この表現は、宗介が末期の台詞を「行きなさい」ではなく「生きなさい」と解釈したことの表れでもあろう)。
吉良浩介 (きら こうすけ)
短編『影武者のショウビズ』に登場するキャラクター。
俳優。宗介にそっくりな人物。ただし性格は正反対で「明るいキャラクター・温厚な語り口・シャープな容貌」。
普通の生活に憧れ、偶然出くわした宗介と一時的に入れ替わる。そして陣代高校に通学するが、それまでに宗介が行ってきた所行のツケを一身に受けることになり、最終的には千鳥のことを「かなめ」と呼んでしまったため正体がバレる。
ちなみにこの間、浩介として芸能活動を行っていた宗介は、彼のタレントとしてのキャリアをズタズタにするであろう数々の言動を行っている。
井村琴美 (いむら ことみ)
短編『影武者のショウビズ』に登場するキャラクター。
吉良浩介のマネージャー。
コステロ
短編『対立のフェスティバル』に登場。ラテン系の傭兵で、宗介の招待を受けて、もう1人の仲間(名称不明)と陣代高校の文化祭を訪れている。
ノリス曰く、かつてコロンビアで彼が戦った敵に似ているとのことだったが、結局は別人だった。
ジャイード / ファヒム /グルロース
短編『対立のフェスティバル』に登場。パキスタン人の傭兵で、宗介の招待を受けて陣代高校の文化祭を訪れている。
彼らはいずれも宗介のことをカシムと呼んでおり、またバダフシャンの虎こと、マジードのことも知っている。
ノリス
短編『対立のフェスティバル』に登場。アメリカ人の傭兵で、宗介の招待を受けて陣代高校の文化祭を訪れている。
宗介に助けられたことがあるらしく、彼を「命の恩人」と語っている。
後藤正二 (ごとう しょうじ)
短編『おとなのスニーキング・ミッション』に登場するキャラクター。
イメージサロン「C&J」のマネージャー。おそらく作者の賀東招二自身が元ネタ。
シア
短編『約束のバーチャル』に登場するキャラクター。
「ドラゴン・オンライン」というオンラインゲームのプレイヤーキャラクター。職業は神官。ザマ(風間信二)のゲーム内ガールフレンド。
ザマと共にパーティを組んでいたが、大魔王ヨーコ(若菜陽子)に捕えられてしまったため、シアを救うために、風間信二は知り合いにゲーム参加を呼びかける。
なお、彼女の正体は本編では明かされていないが、プレーヤーが女性である(=ネカマではない)ことは示唆されている。
椎原那津子 (しいはら なつこ)
短編『音程は哀しく、射程は遠く』に登場するキャラクター。
クルツ・ウェーバーが中学時代に通っていた葛西第四中学校で音楽教師をしていた。
ジャズピアニストを志していたがその夢に破れ、ホステスに身をやつしている。
クルツにとって那津子は、クリーンな(銃に触れる前の)時代の象徴といえる女性だった。
数年ぶりに那津子と再会したクルツは、しばらくの間、生き方を模索することになる。
幸田史朗 (こうだ しろう)
短編『音程は哀しく、射程は遠く』に登場するキャラクター。
椎原那津子の元夫。ヤクザ2名と刑事2名を銃撃した揚句、元妻と一般市民を人質に籠城したが、クルツの狙撃によって重傷を負う。
ナタリヤ・チェダーコワ
短編『ミイラとりのドランカー』に登場するキャラクター。
林水敦信の住む外人向けアパートの住人。ロシア人。シベリアの内戦から逃げるため来日してストリッパーをやっている。酒豪。
ビズ・オニール
短編『ミイラとりのドランカー』に登場するキャラクター。
林水敦信の住む外国人向けアパートの住人。国籍不明の黒人牧師。未成年に禁酒を強いることはサタンの手先となった為政者の仕業と断言する。酒豪。ちなみに、『蓬莱学園』シリーズにも同名のキャラクターが登場する。
檜川義勝 (ひかわ よしかつ)
短編『罰当たりなリーサル・ウェポン』に登場するキャラクター。
荒羽場神社神主。若い頃は不良であったが、結婚と息子が生まれたのを機に改心して神職を継ぐ。
その頃の写真を収めたアルバムは神社の本殿に御神宝として厳重に保管されており、本殿の警戒システムに金を掛けすぎたため、本来の御神宝(室町時代から伝わる)を売却する羽目になっている。
檜川勝彦 (ひかわ かつひこ)
短編『罰当たりなリーサル・ウェポン』に登場するキャラクター。
檜川義勝の息子。父親との折り合いは悪く、國學院大学の神道学科を中退し、たまに金目の物を盗むこともある。
宗介を言いくるめて御神宝を盗み出そうとするがそれは失敗に終わる。ただし、父親の実の姿を目の当たりにして和解した。
マリア・テスタロッサ
短編『<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生』に登場するキャラクター。
レナード・テレサ兄妹の母。自宅で強盗に襲われ、夫のカールと共に殺害される。表向きは貞淑な妻を装っていたが、夫カールが仕事でいない間に、寂しさからか別の男性と関係を持っていたと見られる描写がある。
不倫のことを知るレナードに対して恐れを抱いていて、強盗に襲撃された際に何も知らぬテッサのみを助け、レナードを強盗に差し出したことから彼の心に闇に落とす一因になった。
陸奥睦美(むつ むつみ)
短編『身勝手なブルース』に登場。水蓮女子大学の3年生。宗介曰く、フランス当局が指名手配中の女テロリストに似ているとのこと。ちなみにそのテロリストは警官2名を射殺し、NATO軍の施設を破壊した後に東アジアに潜伏中とされる。
海津蚕子(かいづ かいこ)
短編『身勝手なブルース』に登場。水蓮女子大学の3年生。信二と良い雰囲気になりかけるが、結局は上手くいかずじまいとなった。
ちなみに信二は彼女達の名前を「自衛隊みたい」と語っている。
空条久美(くうじょう くみ)
短編『身勝手なブルース』に登場。水蓮女子大学の3年生。
先に彼氏と別れており、その心の傷を埋めようとしたいがために孝太郎と良い仲になりかける。しかしその寸前に件の元彼がよりを戻しに来たため、即座に身を翻した。