ムシウタ

出自宅犬維基
(重新導向自 蟲之歌)
跳至導覽 跳至搜尋

模板:継続中の作品 模板:Infobox animanga/Header 模板:Infobox animanga/Novel 模板:Infobox animanga/Manga 模板:Infobox animanga/TVAnime 模板:Infobox animanga/Footerムシウタ』は、角川スニーカー文庫から刊行されている岩井恭平ライトノベル作品である。イラストるろお。また、2007年7月からは、WOWOWノンスクランブル帯にてアニメが放映された。短編シリーズ『ムシウタbug』がザ・スニーカーで連載されている。また、月刊少年エースでコミックが連載されている。

模板:ネタバレ

故事

―――“蟲”
一種寄宿在擁有≪夢想≫的少年少女身上,吞噬著他們的希望、願望、欲望的存在。
當吸收到飽和並且宿主無法抑制的情況就會破壞宿主然後成爲擁有強大力量的類昆蟲狀的怪物——“蟲”。
被“蟲”寄生的人稱爲「附蟲者」,雖然不是官方公認的存在但是已經沒有人不知道這個詞了。而逐年增加的目撃証言和異常現象讓人們對他們的恐懼與仇恨心理都越發高漲了。
擁有“郭公”名號的附蟲者。 是實行對附蟲者搜索、捕獲的隱蔽政府機關「特別環境保全事務局」,簡稱「特環」旗下的附蟲者。代號「火種一号」……也就是特環中最強的附蟲者。
他同時也是附蟲者中判定最強並且打倒最多同族的戰士。蟲被殺害的附蟲者會成爲缺陷者,即除了外界刺激以外毫無反應的軀殼,對他們來説與死了無異,所以才會有許多互相戰鬥的事件。對他們來説這些戰鬥無法停止、無法緩和。只能把與自己擁有同樣煩惱的附蟲者們一次次打倒。大多數附蟲者對戰鬥感到恐懼與厭惡。但是郭公已經與一位自己捕獲的少女約定了。所以與蟲同化、從槍口射出具有破滅力量的攻擊……他要戰鬥。

總有某個地方、總有什麽時刻,這些缺陷者的瞳孔……會再度得到光明。

登場人物

主人公

薬屋 大助(くすりや だいすけ)/“かっこう”(浅沼晋太郎
特別環境保全事務局(以下、特環)東中央支部に所属している監視班火種一号指定の同化型虫憑き。憑いている“虫”は緑色のかっこう虫。虫を自分や銃に同化させ、身体能力や銃の威力を大幅に上げる。
全特環局員中最強の実力を誇り、数少ない同化型の虫憑きでもある。また戦闘だけでなく情報収集や追跡等の能力も非常に優秀。
四年前に“ふゆほたる”と出会い、自らの夢を決して諦めないという約束をし、“かっこう”として、どんなことをしてでも夢を守ってみせると心に誓い、特環の任務にも真剣に取り組むようになる。
そのため敵からだけではなく仲間である特環局員からも非情で冷酷な虫憑きとして恐れられているが、虫憑きを殺したことは無い。また詩歌との約束を守るために必死になったり“虫”が成虫化した利菜を自らの腕の中で看取ったり、本来は他人を気にかける優しい少年。普段は人畜無害で身体能力なども平均的な一般人を装っている。裏表がある事や自分の本心を話さない事などから他人から完全に理解される事は殆どない、ただ土師圭吾とは双方ともに理解しあっており、『友』と言える関係を築いている。
戦歴だけを見るのならばまぎれもなく最強の虫憑きで、茶深曰く「虫憑きをめぐる戦いの、まさにド真ん中を突っ走ってきたよーなヤツ」。
夢は自分を必要としてくれる居場所を見つけること。
杏本 詩歌(あんもと しいか)/“ふゆほたる”/“スノウ・フライ”(声:花澤香菜
本編のヒロイン。本編開始時は異種一号だったが、欠落者から唯一復活したため秘種一号に認定された分離型虫憑き。憑いている“虫”は純白ので、その特異な能力から“ふゆほたる”と呼ばれる。触れたものを崩壊させる雪を降らせ、能力が及ぶ範囲内ならばほぼ無敵の強さを持つことから、その力は“かっこう”と並んで最強と称されることもあるほどである。しかし自分の“虫”を完全にコントロールできるわけではなく、詩歌の身に危険が迫ると“虫”が詩歌の制止も聞かずに雪を降らせ続ける。
欠落者から復活した後、特環から脱走し桜架市を訪れ、その際に大助と出会い、強く惹かれていく。
四年前に特環に発見されたとき、捕獲しようと追跡してきた特環局員を一人で数百人も欠落者にし、その意思に反して特環を壊滅状態にまで追いやってしまったこともある。その際に“かっこう”と出会い、彼に自分の“虫”を殺され捕獲されたが、その後欠落者から元に戻ることのできた唯一の人物である。
優しくおとなしい性格で他人に対して奥手になってしまうところがあるが、時折驚くような意志の強さを垣間見せることもある。
「むしばね」のアジトにかくまわれていたが、土師の策略により発見されてしまい東中央支部の局員らとの戦闘になり、その際に自らのむしを制御できずに暴走させてしまう。さらに左脇に重傷をおってしまい、かっこうによって再び特環に連れ戻される。
白樫初季の手助けによって再び東中央支部特環の研究施設から脱走し、虫憑きのレジスタンス勢力『むしばね』のリーダー、“スノウ・フライ”となっている。大助とも“かっこう”とも面識があるが、同一人物だとは気づいていない。
夢は自分がいてもいい居場所を見つけること。

特別環境保全事務局

東中央支部

土師 圭吾(はじ けいご)(声:平川大輔
特環東中央支部長。一般人だが支部長としての能力は中央本部が警戒するほど。“かっこう”に銃を教えたり、銃で虫と戦ったりと戦闘能力も高い。“かっこう”と“レイディー・バード”の戦闘の際に負傷し、現在は昏睡状態に陥っている。
妹が一人おり溺愛しているが、妹が虫憑きであるということを特環にも妹本人にも秘密にしていた。虫を激しく憎み、中央本部とは違って“始まりの三匹”を滅ぼそうとしているが、殆どの虫憑きからは嫌われている。“かっこう”だけが共に理解しあっていた友といえる。
土師 千莉(はじ せんり)/“火巫女(ひみこ)”
特環東中央支部局員、異種三号の特殊型虫憑き。陽炎を媒体にする。能力は索敵・戦闘など多岐に渡り、暫定的に異種三号となっている。無意識に他人の夢を食べる特徴があり監視対象になっていたが、虫憑きであることを自覚した頃からその特徴は消えうせている。東中央支部に所属してからはメキメキと力をつける。
獅子堂戌子に訓練をしてもらったこともあり、そのときは優秀という評価だった。土師圭吾の妹であり、大助を兄のように慕っている。生来盲目で、よく友人に助けられている。
夢は大切な人たちに「大丈夫だ」と言うこと。
緒方 有夏月(おがた あかつき)/“月姫(かぐや)”
特環東中央支部局員、火種二号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は黄金色のヒメカゲロウの“陽炎(ひえん)”。腹部の空洞から熱球を発射する。また亜成虫化することができ、亜成虫化後の能力は二本の尾で周囲のエネルギーをかき集め、純粋な熱へと変換しレーザーとして射出する。その破壊力は“霞王”の霞を貫通するほどに高い。
むしばねのサウスリーダー、“エフェメラ”でありスパイとして特環に所属していたが、千莉を守る為にむしばねを裏切った。元は特環西南西支部局員だったが、千莉と同じ時に特環東中央支部に移った。利菜を救えなかった自分に後悔し、利菜を殺した“かっこう”を憎んでいた。その後、利奈の死の真相を知り“かっこう”を憎むべき存在か悩んでいる。
五郎丸 柊子(ごろうまる とうこ)(声:高木礼子
特環東中央支部長代理。土師曰く「今はまだ無能な人間」。土師の代わりに入ってきたときは本部の言いなりになっていたが、最近はリーダーシップを掴んだ行動をしている。愛車はビートル、ローンがまだ残っているらしい。
土師には高校時代に家庭教師をしてもらっていたこともあり、それが縁で同じ大学へ進学し、特環に就職することになった。
身なりもスーツのボタンを掛け違えたり、髪に寝癖がついていたりなど、社会人としても女性としても少々問題がある。
堀崎 梓(ほりざき あずさ)/“みんみん”(声:田村ゆかり
特環東中央支部局員、戦闘班に所属する火種五号の分離型虫憑き。憑いている“虫”はセミ。鳴き声による超音波攻撃と、力をためた上での体当たりで攻撃する。鳴き声の攻撃は特殊型などに有効。土師に恋愛感情をいだいていたが裏切られむしばねのスパイになり、その後土師に利用され二重スパイに。“かっこう”に欠落者にされたかのように振る舞い特環に戻り“ふゆほたる”捕獲に参加するも返り討ちにあい欠落者となる。
その後の特環での研究の際に一時的に浸父の分身となっていた。現在は再び欠落者となっている。
大蔵 倭(おおくら やまと)/“兜(かぶと)”(声:浜田賢二
特環東中央支部局員、戦闘班に所属する火種六号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大なゴホンツノカブト。巨体を活かした攻撃や、角を射出したり空を飛んだりする。任務の成功率に関しては定評があり、多くの戦いで生き残ってきたことから優秀な局員であることは間違いない。
本名は作中に登場しておらず雑誌の特集で明らかになった。
高鍬 雷(たかくわ あずま)
土師の前任者である特環東中央支部長。“ふゆほたる”事件の際、東中央支部を率いてクーデターを企てたが土師と“かっこう”によって阻まれ失脚した。
高鍬家は代々が国の重鎮であり、“虫”によって国が疲弊することを嫌いクーデターを起こすことで外威を受け入れ“虫”を殲滅しようとした。
“八角(ほずみ)”
特環東中央支部局員、異種六号の虫憑き。憑いている“虫”は8本の足をもつ異形の虫。地面を潜ることができる。“かっこう”により欠落者にされる。

中央本部

魅車 八重子(みぐるま やえこ)
特環中央本部副本部長。見た目は穏やかで安心感さえ覚えさせる。しかし何を考えているのか全くわからず、滅多に顔を出さない本部長に代わって実質的に指揮を執っており、裏では浸父を使い欠落者の蘇生の実験を行っている。人の心の中心を直接捕らえて縛り付け、逃げ出すことも防衛本能によって心を守ることも出来ないような微笑み方をし、虫憑きたちからは“鎖の笑み”と呼ばれている。過去に“虫”の存在を予期していた節がある。
御嶽 アンネリーゼ(みたけ アンネリーゼ)/“霞王(かすおう)” (声:井上麻里奈
特環中央本部局員、戦闘班に所属する異種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は死番虫(デス・ウォッチ)。かなりの攻撃力と防御力を併せ持ち、霞の固まった巨大な爪で敵を攻撃する。
外見は金髪の少女だが言葉遣いが荒く、男のようなしゃべり方をする。
堀内 愛理衣(ほりうち えりい)/“C(シー)” (声:野中藍
特環中央本部局員、情報・特殊・実験班に所属する秘種二号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は薄青色のシーアゲハ。電気を媒体にする。“ディオレストイの欠片”に関する実験に関わっており、その際に異種から秘種となった。
“かっこう”が虫憑きを救ってくれると信じているが、一人でも生きていけるよう願っていた本人には拒絶された。
夜森 寧子(よもり ねいこ)/“ねね”
特環中央本部局員、異種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”はキリギリス。特環の中でも稀な復元能力を持つ。
見た目は普通なのだが、性格がかなり変わっている。
「クロール・ライヴ」というバンドのボーカル。ゲリラライヴを行って警察に捕まったこともある。メンバーは全員虫憑き。ちなみに大助の携帯電話の着信音は、「クロール・ライヴ」の人気曲である。
獅子堂 戌子(ししどう いぬこ)/“あさぎ”
特環中央本部局員、特殊班に所属する異種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は紫電のアサギマダラ。磁力を媒体とし、探知能力を持ち、スティール製のホッケースティックを武器として使う。また磁力の引き合う性質によって高速移動も可能。昔は二号指定の虫憑きで“かっこう”と組む程の「戦士」だったが、現在は前線から離れ特環に所属する才能ある虫憑きを育てるコーチや、それを探し育てるスカウトマンをしながら全国を回っている。愛車はべスパ。格闘訓練では“かっこう”に一度も負けたことがない実力の持ち主。また、戦闘に我を忘れて“かっこう”と戦ったこともあり、その際自分の武器を折られたが相手のアバラを折るという相討ちに近い状態になり、決着はつかなかった。
自身の能力のせいで体内の鉄分が足りなくなるため、いつも特環特製のキャンディーをなめており、持久力に難がある。また一定時間だけだが一号指定並みの力を発揮できる。彼女曰く、「当時の“かっこう”と自分は最強のタッグであり、自分のほうが戦闘能力は上だったはずだが、それでも“かっこう”の方が間違いなく自分よりも強い」とのこと、またその強さに憧れていた。自然発生してしまう静電気から身を守るようカッパを着ている。浸父との戦闘で死亡。ホッケースティックは現在鯱人が使用している。
強盗に家族を殺されたときに、こんな酷いことをする人間は一人残らず消えてしまえ、と願ったため“浸父”に虫憑きにされた。

殲滅班

耶麻本 ラウ(やまもと ラウ)/“しぇら”
特環中央本部局員、殲滅班班長で、特殊型虫憑き。憑いている“虫”はラックカイガラムシ。プラスチックやビニルなどの樹脂を媒体とする。樹脂で作ったスーツを外骨格として操り、同化型の虫憑きとも互角以上に渡り合う身体能力を発揮することができる。さらに小型の信管と爆薬を能力と組み合わせ擬似プラスチック爆弾を作り出したりするなど多彩な攻撃方法を操る。とある小国の皇女だったが、日本の虫の秘密を探り、その力を手に入れようと特環に潜り込む。
ダイスケ/“墓守”
特環中央本部局員、殲滅班に所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は白色のスカラベ。“虫”の体は空洞で、破壊されても再生するという特性を持っている。“ディオレストイの欠片”を取り込んだため“教会”に酷似した“墓地”という領域を操ることもできた。
とある国によって“虫”のことを探るために送られたスパイで、数年前に特環にわざとつかまった。“ディオレストイの欠片”を“虫”と融合させる実験の唯一の生き残りで、戦闘能力のテストのために“かっこう”と戦うが暴走しかけていた“かっこう”に返り討ちにされ、傷ついて倒れているところを萌々ときらりに助けられた。そのときに薬屋大助と名乗った。
夢は“かっこう”である薬屋大助と正反対の「死に場所がほしい」だった。最期は萌々と一緒に夢を叶える。
 “びりびり”
特環中央本部局員、殲滅班に所属する特殊型虫憑き。憑いている“虫”はカミナリハムシ。電気と磁力を媒体とする。雷を模した髪飾りと毛先がギザギザに折れ曲がった長い髪をした少女。“ディオレストイの欠片”の影響を受けた虫憑きの一人で「びりびり」としか喋らない。茶深の能力を受け暴走し、“しぇら”に攻撃を仕掛けたが、返り討ちにされた。
 “あしまき”
特環中央本部局員、殲滅班に所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は赤と青に点滅するボール状の体と無数の触手を持つ異形の生物。長身で鋭い目つきをした少年。“虫”を口の中に貼り付けて、触手を使って敵を攻撃する。感知能力も持っている。数人の殲滅班と共に“マーカー使い”と戦い、欠落者にされた。
 “かなた”
特環中央本部局員、殲滅班に所属する火種三号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は赤と青の体色をした双頭のゲジ。幼いころから喧嘩にあけくれ地元のギャングの用心棒にまでなったが、組織の壊滅によって戦いの場をなくし「戦う場所が欲しい」という夢を抱いた。後に”むしばね”の”アイジスパ”と”茶味”と戦闘。欠落者となる。
 “鱗”
特環中央本部局員。殲滅班に所属する特殊型虫憑き。憑いている“虫”はワラジムシ。“むしばね”に潜伏していた。“かっこう”との戦闘中に“C”によってダメージを負い、その後茶深の能力の影響を受け、中央本部で暴走したところを“ハルキヨ”によって欠落者にされる。

その他

 “おりおん”
特環西中央支部局員。”魔王”に利用された挙句、欠落者となる。
 “帽子屋”
過去に利菜に救われたうちの一人。日比野一房にやられた振りをして、“自由”を手に入れようとした。

むしばね

立花 利菜(たちばな りな)/“レイディー・バード”(声:生天目仁美
むしばねのリーダーで、“かっこう”と何度も争っていた火種一号の分離型虫憑き。憑いている“虫”はナナホシテントウの“七星(ななほし)”。羽から衝撃波を放つことができる。かなりのカリスマ的なリーダーで、むしばねの仲間たち以外に、敵である特環の局員の中にも利菜の考えに賛同しているものがいる。
大助に恋心をもっていた。
“かっこう”との戦闘後に助けてくれた詩歌と親友と呼べる間柄になり、彼女に今まで誰にも話したことのない自分の過去を語ったが、当初は詩歌が自分たちが探していた特環への切り札である秘種一号の虫憑き“ふゆほたる”だとは気付いていなかった。詩歌が“ふゆほたる”だったと知った後も彼女のことをとても気にかけていたが、詩歌が止めるのも聞かずに利菜は最後の戦いへと向かう。
特環を倒し、虫憑きが自由に日常にいられるようになることを望んでいたが、かっこうとの死闘の最中に精神に限界が来てしまい、“虫”が成虫化してしまう。
自分の夢は虫憑きたちの居場所を創ることだと信じていたが、最期に“虫”が成虫化したときに自分の本当の夢が、自分がシアワセになれる居場所がほしかったのだということ思い出し、大助の腕の中でそのぬくもりを感じながら、死亡する。
人が困っているかどうか直感で感じることができ、それもあって幼い頃からカリスマ性を発揮していた。困っている人たちを助ける度に父親に縛られている自分を重ね、シアワセになれる居場所が欲しいと願ったために虫憑きとなった。また、虫憑きになりたての暴走状態で父親を殺害している。
城谷 怜司(しろたに れいじ)/“アイジスパ”
詩歌に協力している特殊型虫憑き。憑いている“虫”はオオクワガタ。水蒸気を媒体とし、水蒸気爆発や水蒸気を加圧した壁などを使い戦い、攻守が揃っていて威力も高い。利菜の幼馴染で利菜の最後の頼みを果たすために詩歌のそばにいるだけだったが、詩歌の『弱さ』に惹かれて詩歌に協力するようになる。利菜がいなくなったことと利菜を救えなかった自分を無意識に後悔していた。
詩歌がリーダーとなった後のむしばねの幹部の一人。
高鍬 みのり(たかくわ みのり)/“なみえ”
特環東中央支部局員だったが、瀕死の重傷を負っていたところを、利菜に助けられたことでむしばねに寝返った分離型虫憑き。憑いている“虫”は波江白蝶。現在は火種五号だが、かつては火種三号にも指定されたことがある。蝶の羽が白色の火となり、敵を攻撃する。その火力は一瞬でコンクリートが蒸発するほど。
4年前に“ふゆほたる”を守ると約束したが結局助けられなかったことを悔い、欠落者収容所で詩歌を監視していた。“ふゆほたる”がむしばねのリーダーになった時にもう一度守ると約束し、むしばねに入る。前東中央支部長である高鍬雷の娘。
詩歌がリーダーとなった後のむしばねの幹部の一人。
日々野 一房(ひびの かずふさ)/“センティピード”(声:羽多野渉
むしばねの親衛隊長で火種九号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大ムカデ。利菜を崇拝しており、利菜のためなら死ねるといった気概の持ち主。戦いの中“虫”が成虫化しかけたが、命を助けるために利菜によって“虫”を殺され欠落者にされた。特環に収容されていたが、“ディオレストイ”の欠片の実験で一時的に欠落者から蘇生。そして実験が記録されたディスクを持ち脱走したが、再び欠落者になってしまった。
夢は外国に行き人々を助けること。
利菜が虫憑きになった間接的な原因ともなった少年。特環から逃げていた際に一般人の利菜に助けられたことで、同じように特環に追われる虫憑きを助けようと決意した。利菜が虫憑きとなってからはずっと付き従っている。
梶取 洋壱(かんどり よういち)/“シニカ”
むしばねのイースト・リーダーで分離型虫憑き。憑いている“虫”は褐色の細長い体躯のカミキリムシ。他のむしばねのメンバーと同じく利菜に依存していた。
“かっこう”との戦闘中に利菜に自分たちの夢を押し付けていたことに気づき、自分の夢を守るために戦おうとするが“鱗”によって欠落者にされた。
“ビィ・ホークモス”
むしばねのウエスト・リーダーで分離型虫憑き。憑いている“虫”は三角形の触覚を持った巨大なホウジャク。利菜の死後、独断でサウスとウエストのメンバーを率いて、土師千利を誘拐しようとしたが、有夏月によってメンバーもろとも欠落者にされた。
杉都 纏(すぎつ まつり)/“ハレンシス”
むしばねの幹部で分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大なゴミムシ。“虫”が一度取り込んだ固形物を必要に応じて元に戻す能力がある。綾の姉で容姿は似ている。
詩歌がリーダーのなった後も残っている幹部の一人。
丁屋 弐兵衛(ちょうや にへえ)
愛恋が発信した虫憑きの記録を手に入れてしまったが為に特環に追われる身となった少年。「便利屋きらり☆」の紹介でむしばねに保護され、その後はむしばねの資金運用を担当している。父親が以前質屋を経営していたためお金のやりくりに関してよく知っており、パトロンがいなくなったむしばねを少ない資金で立て直した。
商人としてのモットーは「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」だが、そのせいで七那とはよく衝突しており仲はあまりよくない。
宗方 槐路(むなかた かいじ)
むしばねのパトロンを務めていた経営者。自分を「仲間」と呼んでくれた少女、利菜に愛情を抱き、その夢を手助けしようと自らの経済力でむしばねを支援していた。
しかし利菜の死で態度は一転、むしばねや傘下の企業を巻き込みつつ利菜を追い詰めた“虫”の正体を探っていた。赤瀬川七那やサザビィとの接触、巧みな懐柔策により手にした権力を利用し、αまであと一歩のところまで迫る。しかし、最後の最後に自分の足元にも及ばない商人の少年による逆転劇を受け、“虫”や経済界から身を引くことになる。
病に侵されており、現在は療養に専念している。

ハルキヨ

世果埜 春祈代(せはての はるきよ)/“ハルキヨ”
異種一号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”はオオエンマハンミョウ。炎を媒体とし、強力な攻撃力を誇る。炎は“虫”の一部であるためハルキヨの意思一つで操ることができ、燃え移らず消える事もない。特環とは別に独自に行動をとっており、特環とは協力関係的な間柄。自身が同化型の虫憑きと渡り合えるほどの身体能力と格闘能力を秘めている。
久瀬崎 梅(くせざき うめ)/“ウメ”
ハルキヨの仲間の分離型虫憑き。憑いている“虫”は鏡虫。相手の攻撃を反射させることが出来る。春祈代の配下として行動している。男か女かよくわからない容姿をしている。
榊 遥香(さかき はるか)
ハルキヨの仲間の虫憑き。“虫”の能力により、他人に化けることができる。化けた人間の能力も威力は劣るが使用できる。春祈代に化けて“ウメ“とタッグで“かっこう”と戦ったことがある。
金成 洋一(かなり よういち)
ハルキヨの仲間の分離型虫憑き。憑いている“虫”は蜘蛛。小さい蜘蛛で他人の虫を操ることもできる。虫を操られている虫憑きはその間、欠落者のような状態となる。千莉、緒里、純のクラスメート。穏和な性格を装っていたが、本性はかなり冷徹。新幹線の戦いで緒里と純を殺したが“かっこう”に欠落者にされた。

茶深一味

菰之村 茶深(このむら ちゃみ)/“おぅる”/“紅い蜂”使い
特環西南支部局員、異種十号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は深紅の女王蜂。相手の感情の一つを増幅することができ、また対象の“虫”の能力を上げる副作用もある。特環を裏切ろうと思っており、利用できる人材を集めていた。口癖は「くそったれ」。
かつてのアリア・ヴァレィである薬屋千晴を手に入れたことを機に特環から行方をくらまし、虫憑きの頂点に立つために動き出した。
鮎川 千晴(あゆかわ ちはる)(声:能登麻美子
旧姓・薬屋。大助の実姉。母が再婚したため鮎川姓になった。過去に“三匹目”の宿主となったことがあり、その時に大助を虫憑きにした。その際アリア・ヴァレイと大助に関する記憶が消えたが、虫憑きの戦いに巻き込まれたことがキッカケで記憶を取り戻した。極度のブラコンで、大助をとても気にかけて可愛がっていた。
大助を冷酷無比な悪魔“かっこう”にしてしまったことを悔いており、大助に断罪されるのを願い“大喰い”に狙われかけたが、大助に許されたことにより“大喰い”を退けた。
アリア・ヴァレィの安住の地になろうと匂いを辿っており無事発見した。
杉都 綾(すぎつ あや)/“ジェンシス”
むしばねに所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は瑠璃色のゴミムシ。取り込んだ金属やガスを、作り変えて吐き出すことが出来る。日本人形のような容姿を持つ少女。物静かで人の話を聞かず、その行動は奇行が目立つ。元は火種八号程度の実力だったが、茶深の能力の作用で火種二、三号程度の力になった。むしばねのことを仲間だと思った事は一度もなく茶深の計画に協力している。千晴を逃がすために、特環の殲滅班と戦闘し死亡。むしばねでは行方不明扱いとなっている。
茶深から刺激を受けていた感情は「寂しい」。
白樫 初季(しらかし うぶき)/“からす”
特環中央本部局員、無指定の同化型虫憑き。憑いている“虫”はカラスヤンマ。“虫”を自分とコートに同化させ、飛行能力を付け身体能力を上げている。加速力、旋回能力に関しては右に出るものは居ない。ただし戦闘能力は低い。特環の研究施設から詩歌を逃げさせ、その後は東中央支部に保護され居候していたが千晴とともに茶深の仲間となり特環を脱走した。
昔、自分の故郷の島(青播磨島)を特環に焼き払われ、当時命令を下していた八重子を憎んでいると同時に、島を救うことが出来なかった自分の無力さを悔いている。詩歌や夕との出会いで新たな希望を見出した。
“コノハ”
特環中央本部局員、戦闘班に所属する火種四号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は重ねた二枚の葉っぱのような体に大きな眼をつけたハムシ。伸ばした触手を特環のゴーグルに繋ぐことで映像を見ることができる。当初は視覚情報での広範囲の索敵能力と周囲の風景に溶け込む能力だけだったが、茶深の“虫”によって能力が向上し広域索敵能力を手に入れた。彼女自身が読唇術を身に着けているため、盗聴も可能。戦闘能力は無指定並み。
茶深から刺激を受けていた感情は「怒り」。
“ルシフェラ”(“ルーシィー”)
旧むしばねのノース・リーダーで特殊型虫憑き。他人の記憶の中から必要な情報をメールにして携帯電話に受信させる能力を持つ。現むしばねでも参謀、特に戦闘面での作戦などで高い頭脳を発揮している。(有夏月曰く)捻じ曲がった性格の持ち主で嫌味好き。茶深と共に行動しているときもあるが、現在はむしばねに戻って前述の通り参謀役として活動している。
“オゥル”
綺麗な毛並みをした白猫。子猫のときに茶深に拾われた。茶深の能力を初めて受けた存在で、能力の影響で猫らしからぬ知性を身につけていた。千晴の監視任務を茶深の代わりに五年間こなしていたが、アーバン・タワーで“かなた”と戦い死亡。

始まりの三匹

“大喰い(おおぐい)”/エルビオレーネ(声:斎賀みつき
“始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は分離型の虫憑きとなる。本体は上空に飛んでいる巨大な紫色の蝶。“始まりの三匹”の中でも一番よく人の前に姿を現し、その名の通り貪欲に夢を食らい続け多くの虫憑きを生み出している。いつも真紅のロングコートを纏いサングラスをかけていて、その瞳は不思議な虹色をしている。
自分が夢を食べた分離型虫憑きの“虫”の能力を自在に使うことが出来るので突出した戦闘能力を持つ。死亡した虫憑きや欠落者の能力は使えない。かつては“槍使い”と“かっこう”ら少数しかその能力を知らなかったようだが、柴央市の戦いで多くの特環局員が知ることになる。
欲望に忠実で、人工的に夢を浮かび上がらせる陽子とは一時協力のような関係にあった。しかし、人工的な味よりは天然の味が好きということらしく、あくまで一時的なものに終わった。
過去に何度も大助と会っており、一度は大助の夢をアリア・ヴァレィと取り合ったこともあった。
愛称は「エル」。通り名通りの大食い。
“浸父(しんぷ)”/ディオレストイ
“始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は特殊型の虫憑きとなる。本体は無数の芋虫が集まって出来たマント。その芋虫を分散させることにより、無数の「欠片」として行動することができる。「欠片」の一部は特環の実験に使用されている。
本体は特環に捕らえられているが、「欠片」が何体か外に出ているらしい。「欠片」は夢に破れて死んだ死体に憑くが、相性が良いものでないと長い間活動できない。逆に相性が良ければ能力が上がる。力が弱まると次の肉体の候補を探し、揺さぶりつつ自分好みの肉体を作り上げる。
年に一、二回ほど“浸父”の領域である『教会』が特環にも目撃されている。夢を食べる時に先に夢を歪めてから食べる特徴があり、そのため特殊型の虫憑きは自身の夢を忘れてしまっている者や精神に異常のある者が多い。他の“始まりの三匹”と違い、一度に何人もの夢を食べることが出来る。
愛称は「ディオ」。いわく珍味好き。
“三匹目(さんびきめ)”/アリア・ヴァレィ/“先生”
“始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は同化型の虫憑きとなる。本体は碧いで、夢を持つ人間と親しい人物と同化することで夢を食べる。それ故にハッキリとした目撃例が存在しておらず、未だ謎に満ちた部分が多い。
同化された相手は自身の意識の中に三匹目の意識ができるが、自身の意識も残っている。なお、その際の性格は宿主の性格が反映される。宿主は同化能力を使えるようになるが、夢を食べたくなる衝動に駆られその餓えと戦うことになる。目的の相手の夢を食べると離れるが、宿主は夢を食べた相手とアリア・ヴァレィになっていた時期の記憶を失ってしまう。
一時は青播磨島の殲滅作戦によって消滅したと考えられていたが、その後生存が確認された。今は目覚めのときを待っている。
愛称は「アリア」。いわく美食家。

その他の虫憑き

津村 蜜樹(つむら みつき)
紫央小学校5年生の少年。虐められていた所を大助に助けられ大助と友達になる。しかし“大喰い”によって虫憑きになり大助と仲違いになり、学校を壊そうと暴走していた所を千晴に欠落者にされる。
圓藤 緒里(えんどう いおり)
モイラ学修院大学付属高等学校1年C組で千莉の親友。無所属の分離型虫憑き。憑いている“虫”は兵隊アリの“碧兵(へきへい)”自分の体格の何倍もの“虫”を投げ飛ばす程の怪力と他の虫の攻撃を寄せ付けない硬い甲殻を持つ。
千莉に心を救われたことで、千莉を守ろうと思ったことで虫憑きになった。学習旅行で桜架市へ向かう道中、新幹線の中で千莉を狙っていた金成洋一と戦い死亡。だが最後に何匹もの兵隊アリを出し純や有夏月を助けようとした。彼の虫憑きとしての能力は多数のアリを操ることだったらしい。
塩原 鯱人(しおはら しゃちと)
在野の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は橙色のアキアカネで質量を媒体とする。何匹でも“虫”を飛ばすことができ、“虫”が憑いた物体の質量を移動させたり、ある程度までなら増幅・減衰させることも出来る。
他の虫憑きに襲われていたところを戌子に見つかり、戌子の訓練を受けることになった。その潜在能力はとても高く戌子は訓練次第で火種一~三号レベルにもなると予想していた。“ディオレストイの欠片”すらも倒してしまう程の「戦士」である。
現在は、広範囲に散らばった他の“ディオレストイの欠片”を殲滅するために旅を続けている。一時はポチらと七那の身辺警護をしていたが途中で浸父の気配を感じて姿を消す。その際“かっこう”と初めて出会う。七那からはイルカさんと呼ばれていた。
南風森 愛恋(はえもり あこ)/“記録者”
“虫憑きが消える町”に住んでいる自称“真のジャーナリスト”、また“元魔王”でもある少女。分離型虫憑きで憑いている虫はフタホシコオロギ。周囲のアンテナ等を利用して、広範囲に電波を飛ばす能力を持つ。
報道部の部長で、特環の任務で転校してきた有夏月を半ば強制的に入部させる。過去のある出来事のせいで周囲から冷たい扱いを受けており、“魔王”の陰謀論を声高に唱え始めてからはさらに周りから避けられるようになった。しかし有夏月と共に調査を続けるうちに、実際に“魔王”は存在し、彼女がずっと一人で“魔王”と戦い続けていたことが明らかとなった。
“魔王”を直接おびき出すために自ら“大喰い”を呼び虫憑きになったが、その直後、長い時間をかけて集めた虫憑きのデータを発信したために“しぇら”によって欠落者となった。過去に鬼道ツカサにもインタビューをしたことがある。
夢は「真実」とは何かを知ること。
田央 萌々(たなか もも)/“変電所跡の虫憑き”/“マーカー使い”
高校のヴィジュアルデザイン科に通いつつ、「便利屋きらり☆」でアルバイトをする少女。落ち着きが無く絵を描くことが大好きで、常にマーカーを持ち歩いている。語尾に「ゼッ」というアクセントを置いた独特のしゃべり方をする。
同化型虫憑きで憑いている“虫”は虹色に輝くナナイロタマムシ。宿主の血液をエネルギー源とし爆発的な威力を発揮する。当初は催眠暗示によって自分の“虫”と記憶を封印されていたが、しばらく経ってその催眠が解けてしまい、暴走する。“かっこう”と戦い正気を取り戻した後、ダイスケ(墓守)の願いを共に叶えて死亡。
柔軟な思考を併せ持ち戦闘能力はかなり高いが、“三匹目”に狙われたにしては意思が未成熟でいずれ自滅していた。
“ポチ”
七那の用心棒として雇われていた特殊型虫憑き。鉱物繊維を操ることができ媒体を織り込んだ布を操り戦う。毛先がはねた髪をした少年。暴力団の子飼の虫憑きだったが組織の壊滅で居場所をなくし、ダンボールのなかで暮らしていたところを七那に拾われた。配下の虫憑きがいて、彼らは“ポチ”を信頼している。“クリスティ”から七那を守るために戦い死亡。
鬼道ツカサ/“優しい魔法使い”
七那やきらりの過去に大きく関わる分離型虫憑きの女性で、憑いている“虫”はユウレイグモ。相手と自分を“虫”の糸でつなぐことにより、視覚・聴覚・痛覚などの感覚や自分の記憶と他人の記憶をも交換することができる。この特殊な能力を巧みに操り、特環すらも翻弄していた。
かつて自分を「魔法使い」と呼び、自分に礼を言ってくれた七那を大切に思い、彼女が困っているときはいつでも助けに現れていた。しかし、七那の祖父の死とともに忽然と姿を消し、それ以降七那の前には現れていない。“記録者”のインタビューに対し「決して購えない罪を犯した」ので「彼女に会うことはできない」し「罪を隠して死ぬ」必要があると答えている。彼女の顛末はbugで描かれている。
その死の間際、「エンクロージャー」「バブル」「パラダイムシフト」という“虫”の起源に迫る秘密を掴みかけていた。
α(アルファ)/“始原の虫憑き”
αの名が示すとおり、最初に虫憑きになった人物。
虫憑きのルーツを知る人物と目されており、多くの人間が自分の手中に収めようとしたことによって十数年前の日本経済の大異変、「エンクロージャ」「バブル」「パラダイムシフト」の引き金となった。その後は現在に至るまで、日本経済界の選ばれたトップたちが集まる「円卓会」という集団によって隔離され、その存在を隠蔽されていた。そのため特環ですらその存在を把握できていない程の謎に包まれた人物。
「円卓会」のメンバーになった七那の前に、オークションの商品としてその名前が現れる。彼の“虫”は“眼”のような外見をしており、それを使って情報収集をしている。“眼”は過去にかっこうとの戦闘経験もある。
“サザビィ”
朽ち果てた衣服で身を包み、「円卓会」のオークショニアを勤める虫憑き。特殊型虫憑きで黄金を媒体としている。
実は没落した「円卓会」の元メンバーで、十数年前に起こった経済界の世代交代、「パラダイムシフト」を乗り切れなかった一人。その後は“見張り番”としてαを監視していた。
本来オークションには「円卓会」のメンバーのみを招待していたにもかかわらず、高額で落札してくれる人物なら「円卓会」メンバーではなくても誰でも入札権を売るなど異常なまでに金に執着している。“クリスティ”に再び綺麗なドレスを着せると誓っている。
“クリスティ”
ドレスに身を包んだ美女。美しいソプラノの声を持つ。特殊型虫憑きで、憑いている虫はドクガ。闇を媒体にしている。
サザビィが取り仕切っているオークションでもしビッダーが落札金額を支払えない場合、彼女が死をもって制裁を加える。
彼女も“サザビィ”と「パラダイムシフト」に巻き込まれた一人で、その後はαの“見張り番”として生きていたが、彼女自身は“サザビィ”と共に居られるならそれでいいと思っていた。しかし“サザビィ”の思うままに在り続けたいと願っていたため、“サザビィ”の望むようにオークションに協力する。
詩歌との戦闘の際、欠落者となる。

その他の人物

砂小坂 純(すなこざか あづ)
モイラ学修院大学付属高等学校1年C組の一般人の女の子。緒里の幼馴染。緒里を想っていたため、彼の心を救った千莉の事を嫌っていたが、千莉の温かい心に触れ、今では一番の親友に。新幹線で緒里が殺される瞬間を見てしまい、その心の隙を“浸父”に狙われ虫憑きになりかけたが、千莉の事を思いだし踏み止まった。金成洋一に殺されてしまった。
長谷川 美樹(はせがわ みき)
鴇沢町で千莉と同居していた女性。スリムな体つきをした長身の美人。土師圭吾の友人で在宅のファッション・デザイナー。けっこう腹黒い。
海老名 夕(えびな ゆう)
赤牧市にすむごく普通の少女。偶然から“浸父”の実験により蘇生した“センティピード”から“ディスク”を託される。
その後、特環から逃亡中の初季と詩歌に拾われ、“ディスク”を“かっこう”に届けるために共に旅をすることになる。はじめのうちは喧嘩してばかりだったが、強い信念を持って“ディスク”を届けると誓ううち、逃走中の3人での些細な出来事を通すうちに成長していく。
心を許しあった初季によってメガネを贈られているが、初季はそのために“先生”からもらった大切なネックレスを手放していた。ネックレスを見つけ出し、それを手に初季に会いにいきたいと願い「便利屋きらり☆」を頼ったことで、ネックレスや初季と思わぬ再開を果たすことになる。
なおこのネックレスは、ムシウタbugにおいて花城摩理が“先生”に宿っていたアリア・ヴァレィにプレゼントしたものである。
佐藤 陽子(さとう ようこ)/“魔王”
自分の住む町で、箱庭を使ってカウンセリングを行うという特技、そして“ゲニウス”と“ロキ”を使い、更には“大食い”を共に利用しあって数々の虫憑きを生み出していた“魔王”。
特環中央本部の副本部長である魅車八重子のカウンセリング記録を所持しており、彼女を“魔王”、また特環所属の虫憑きをその手先と考えて恐れていた。そして“勇者”として彼女や虫憑きと戦うために“ゲニウス”を成長させようと“大食い”を利用して生み出したばかりの“虫”を直接“ゲニウス”の餌にしていた。
愛恋に自分のことを“魔王”と呼ばれ、以後“魔王”と自称するようになるが、結局特環と愛恋によって“ゲニウス”の覚醒を阻止された上、自身も茶深の“虫”で「恐怖」を刺激され町を去ることになる。
別の町で、田央萌々の虫と記憶を封印した張本人。封印の方法は強烈な催眠作用による暗示。
五十里野 きらり(いかりの きらり)
寂れた雑居ビルにオフィスを構えて「便利屋きらり☆」を営む少女。いつも他人を気にかける優しい性格だが、便利屋がぎりぎりの経営状態にあるにもかかわらず依頼主の無理を聞いたり、依頼に含まれないことまでこなした挙句に報酬を減らされてしまうなど、優しすぎて損をしてしまうことも多々ある。しかし本人はさほど気にしていない。また特別な“虫”に関する依頼も引き受けており、土師やむしばねなどの様々なコミュニティとの人脈も持っている。
数年前に大企業赤瀬川グループの現会長といざこざがあったらしく、そのせいで高校にも進学できなくなり「便利屋きらり☆」を開業した。現在は和解している。
赤瀬川 七那(あかせがわ ななな)
赤瀬川グループ会長。「J」を逆さにしたようなステッキを愛用し、ワインを好んでいる。「やはは」という独特の笑い方をする。
数年前、当時の会長で唯一の肉親だった祖父の怪死により、わずか15歳にして会長職を受け継いだ過去を持つ。
幼い頃に助けてくれた虫憑き“優しい魔法使い”を慕っていたが、彼女は祖父の死と時を同じくして失踪。その後“優しい魔法使い”の手がかりを探るため、自分も“優しい魔法使い”に近づくために特環や“始まりの三匹”に近づくが遂ににたどり着くことはできなった。そのときの経験から虫憑きや特環を強く憎んでいる。“優しい魔法使い”について知っているという五十里野きらりに執拗にあたっている。
過去の経験から何よりもお金を優先するゆがんだ性格。その一方でビジネス面には高い力を発揮している。
虫憑きを利用した新しいビジネスを目論んでいる。丁屋弐兵衛から買い取った虫憑きのデータの中に鬼道ツカサのインタビューを見て丁屋弐兵衛に記録者の捜索を頼む。余談だが、虫憑きや特環の関係者ではないにもかかわらず、全ての一号指定の虫憑きと会ったことがあるらしい。

キーワード

“虫”(むし)
思春期の夢を持つ少年少女に寄生し、宿主の夢を喰らう代わりに超常的な力を与える異形の怪物。見た目が実在する昆虫類に似ていることから“虫”と称されている。“虫”には分離型・特殊型・同化型の三つのタイプが存在する。
また、虫は成長することもあり、無指定から号指定になったものもいる。
虫憑き(むしつき)
“虫”に寄生され、超常の力を扱うことができる人間。一度虫憑きになったら二度と元に戻る事が出来ず、“虫”に夢を喰い尽くされた虫憑きは死に至る。“虫”や虫憑きは十年ほど前から現れたとされている。政府の公式見解では“虫”は存在しないとされているが、十年間の人々の目撃報告は膨大な数になっており、ここ数年で政府はすっかり弱腰になっている。世間ではもっぱらの噂となっており、虫憑きは恐怖と差別の対象として忌み嫌われている。
欠落者(けつらくしゃ)
感情、意思、記憶といった“心”や、虫憑きにとって一番大切な夢すらも失ってしまった生ける屍。虫憑きが“虫”を殺されるとこの状態になり、外部の命令しか受け付けなくなってしまう。一度欠落者になったら二度と元に戻る事はないとされてきたが、杏本詩歌“ふゆほたる”ただ一人だけが蘇生した。
成虫化(せいちゅうか)
宿主の夢を喰い尽くし、宿主の支配から解き放たれた“虫”が成長し凶暴化する現象。自分の“虫”が成虫化して夢を食い尽くされた虫憑きは、夢と共に自らの命をも失ってしまう。しかし“虫”が成虫化するのはごく稀である。成虫化した“虫”の力は強大で、無指定の“虫”でも倒すのに3人以上の号指定虫憑きを要するほど。成虫化した一号指定の利菜の“虫”と、同じく一号指定の薬屋大助(かっこう)が戦った時はひとつの街が壊滅した。
亜成虫化(あせいちゅうか)
宿主の意思によって一時的に“虫”を成虫化の状態に近づける能力。成虫化する寸前、ギリギリの状態にまで“虫”をオーバーロードさせることで急激に能力を高めることができる。パワーを一定以下の出力に抑えられない。消耗が著しく激しいために制御できる時間が短いといったリスクがある。現在確認されている虫憑きの中でこの能力を使える虫憑きは“月姫”だけである。
始まりの三匹(はじまりのさんびき)
少年少女の夢を食らい、人間を虫憑きにしてしまう特異な存在。エルビオレーネ、ディオレストイ、アリア・ヴァレイの三匹がいる。特環からは虫憑きを生む“原虫”に指定されており、エルビオレーネは“大喰い”、ディオレストイは“浸父”、アリア・ヴァレイは“三匹目”と呼んでいる。
特別環境保全事務局(とくべつかんきょうほぜんじむきょく)
政府が増え続ける虫憑きに対処すべく設立した秘密機関。“特環”と略称されている。虫憑きを秘密裏に捕獲、一般社会から隔離し、また“虫”の存在、虫憑きによる事件を隠蔽して、政府の「“虫”は存在しない」という公式見解をその通りにしている。赤牧市を拠点とする中央本部の他、全国に多数の支部を置いて虫憑きの動向を監視している。当初は自衛隊や警察と合同で、既存の兵器を使い虫憑きと戦っていたが、“虫”の能力は多岐に渡るためすぐに対応できなくなった。そこで、捕らえた虫憑きに訓練と教育を施して兵士として管理し、在野の虫憑きを捕獲させるという方法がとられた。結果として成功しているが、ほとんどの虫憑きがこの方法に反発している。
むしばね
特環に反発している虫憑きや、その考え方に賛同する一般人らによって作られたレジスタンス組織。特環を倒し、虫憑きが自由に生きられる居場所を作るという目的のもと、リーダーの“レイディー・バード”を中心に、特環との戦闘、在野の虫憑きの保護などの活動を行っていたが、利菜が命を落としてからは分裂状態となり弱体化の一途をたどっていた。しかしその後、詩歌が“スノウ・フライ”としてむしばねの新リーダーの座に就き、強力な虫憑きがサブリーダーとなり、「虫憑きの仲間を増やし、全ての元凶である“始まりの三匹”を倒す」という新たな目的を持ったため、かつての勢いを取り戻しつつある。
ハルキヨ
特環、むしばねに次ぐ第三勢力といえる存在。リーダーは“ハルキヨ”。強力な虫憑きによる少数精鋭のグループらしいが、メンバー構成や目的など詳細は不明。突然現れては場を掻き乱して去っていくという謎の行動が目立つ。主要メンバーが特環の殲滅班に加わっている。
号指定(ごうしてい)
虫憑きを“虫”の能力の種類や強さによって区別する制度。純粋に戦闘能力に秀でた虫憑きを火種、きわめて特殊な能力をもつものを異種、その他の理由で重要性や秘匿性を持つものを秘種と認定し、その危険度に応じて一号から十号までランク付けしている。特環でも表向きには火種で号指定されている局員は十数人しかいないとされる。更に最強とされる一号指定の虫憑きは虫憑き全体でも五人しか確認されていない。
ムシウタbug(バグ)
『ムシウタ』の短編。本編の数年前の物語が一之黒亜梨子の視点で描かれており、ムシウタ00.と本編をつなげている。

虫憑き

虫憑きの種類

名称 説明
分離型 常に虫憑きと虫が離れている。実体があり、虫本体が攻撃する種類が多く、中には複数の虫を操るものもいる。
憑かれた虫憑きにはお人好しな性格の人間が多い。
“大喰い”ことエルビオレーネによって生み出される。虫憑きの中では最も数が多い。
特殊型 実体がなく、基本的には媒体そのものが虫の体を構成し、それを操る。自然・感情系の力を操るものが多い。一定の領域内で凄まじい力を発揮できるが本体の機動力に欠ける。
この領域内でのみ能力を最大限に使え、媒体となるものを生み出したり、相手の能力を制限できたりする。中には実体を持つが分離型とは違い、変形するものもいる。
憑かれた虫憑きはゆがんだ性格の人間や精神の偏った人間が多い。
“浸父”ことディオレストイによって生み出される。
同化型 道具や虫憑き自身と同化して力を発揮する。同化された虫憑きは身体能力が飛躍的に上昇し、道具には何らかの能力が追加されたり強化される。
憑かれた虫憑きは裏表のある人間が多い。
“三匹目”ことアリア・ヴァレィによって生み出される。
ほかの種類と比べて発見例が少なく、4体しか確認されていない。

号指定

号指定は特別環境保全事務局の定めた十号~一号までの10段階の号指定の虫憑きと無指定の虫憑きで構成される。

  • 無指定、または号指定が不明ながらも相応の実力があるものはそれに見合う号に細字で含めてある。
  • 階級が変化したものは最高時の号に含める。
人物
一号 かっこう(薬屋大助) ふゆほたる/スノウ・フライ(杏本詩歌) レイディー・バード(立花利菜) ハルキヨ(世果埜春祈代) マーカー使い(田央萌々) ハンター(花城摩理) 
二号 月姫(緒方有夏月) C(堀内愛理衣) あさぎ(獅子堂戌子) 塩原鯱人 しぇら(耶麻本 ラウ) 
三号 火巫女(土師千莉) 霞王(御嶽アンネリーゼ) ねね(夜森寧子) なみえ(高鍬みのり) かなた アイジスパ(城谷怜司) 槍型(一之黒亜梨子) 
四号 コノハ ころろ(狗狸坂香魚遊) 
五号 みんみん(堀崎梓) 圓藤緒里 アキ 
六号 (大蔵倭) おりおん 八角 帽子屋 
七号  
八号 ジェンシス(杉都綾) 
九号 センティピード(日々野一房) 
十号 おぅる(菰之村茶深) 
無指定 からす(白樫初季) 

ムシウタbugに登場する虫憑きも含む。 模板:ネタバレ終了

既刊一覧

本編
タイトル ISBN-10 ISBN-13 初版発行
ムシウタ 01.夢みる蛍 ISBN 404428802X ISBN 978-4044288020 2003年5月1日
ムシウタ 02.夢叫ぶ火蛾 ISBN 4044288046 ISBN 978-4044288044 2003年11月1日
ムシウタ 03.夢はばたく翼 ISBN 4044288054 ISBN 978-4044288051 2004年5月1日
ムシウタ 04.夢燃える楽園 ISBN 4044288070 ISBN 978-4044288075 2004年10月1日
ムシウタ 05.夢さまよう蛹 ISBN 4044288100 ISBN 978-4044288105 2005年7月1日
ムシウタ 06.夢導く旅人 ISBN 4044288127 ISBN 978-4044288129 2005年12月28日
ムシウタ 07.夢遊ぶ魔王 ISBN 4044288135 ISBN 978-4044288136 2006年6月1日
ムシウタ 08.夢時めく刻印 ISBN 4044288151 ISBN 978-4044288150 2007年3月1日
ムシウタ 09.夢贖う魔法使い ISBN 4044288178 ISBN 978-4044288174 2007年7月1日
短編

ムシウタbugの項を参照のこと。

その他(中編)
タイトル ISBN-10 ISBN-13 初版発行
ムシウタ 00.夢の始まり ISBN 4044288186 ISBN 978-4044288181 2007年9月1日

コミック

既刊一覧

ムシウタ MUSHI-UTA 1.夢見る蛍

アニメ

2007年7月5日から、WOWOWノンスクランブル枠にて放送された。全12話。 ストーリーは基本的に小説第1巻を踏襲しつつ進んでいくが、「大助=かっこう」であることが当初から明かされていたり、柊子ら原作2巻以降のキャラクターも登場したり、ストーリー・登場キャラクター共にオリジナル要素を多分に取り込んだ内容となっている。

スタッフ

主題歌

  • オープニングテーマ『ムシウタ』
作詞:Bee’/作曲・編曲:黒須克彦/歌:赤月
  • エンディングテーマ『サヨナラ』
作詞・作曲:佐藤ひろ美/編曲:鈴木マサキ/歌:佐藤ひろ美

サブタイトル

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 次回予告ナレーター
1 夢ノ始マリ 吉田玲子 酒井和男 茂木信二郎 浅沼晋太郎
2 夢ノ絆 須藤隆 徳本善信 烏宏明 高木礼子
3 夢ノ虜タチ 國澤真理子 酒井和男 小林哲也 中本尚子・さのえり 羽多野渉
4 砕ケ散ル夢 金崎貴臣 えんどうてつや 嘉手苅睦・神本兼利
新田靖成・空流辺広子
田村ゆかり
5 巡リ会ウ夢 吉田玲子 川崎逸朗 高島大輔 服部憲知 井上麻里奈
6 狙ワレタ夢 國澤真理子 阿蒜晃士 浅利藤彰 空流辺広子 野中藍
7 夢ノ迷路 吉田玲子 下田正美 新田義方 雨宮英雄 志村由美
8 見果テヌ夢 國澤真理子 酒井和男 えんどうてつや 神本兼利・空流辺広子 平川大輔
9 夢ノ欠片 吉田玲子 まついひとゆき 小林哲也 中本尚・さのえり 生天目仁美
10 スレ違ウ夢 國澤真理子 熨斗谷充孝 梁光鍋・秋田学 斎賀みつき
11 終ワラナイ夢 金崎貴臣 細越裕治
ワタナベシンイチ
徳本善信
浅利藤彰
空流辺広子 花澤香菜
12 夢ミル蛍 吉田玲子 酒井和男 神本兼利・岩永悦宜 -

※スタッフリストはTV放送時のエンドロールに記載されていたものに準じている。

※一部スタッフがTV版、公式サイト、公式サイト(WOWOW)でそれぞれ違った人物名が記載されていることがある。

※次回予告の内容は声優本人の将来の夢や身の回りの出来事などを話すというもので、本編及び次回とは一切関係ない。

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時
衛星放送 WOWOW 2007年7月5日 - 10月4日 木曜 24時00分 - 24時30分

模板:前後番組

外部リンク


模板:Lit-stub 模板:Manga-stub